スタートガイド

MXA910をコントロールするには、Shure Designerソフトウェアを使用します。この基本セットアッププロセスを完了すると、次のことが可能になります。

  • MXA910にアクセスおよびコントロールする
  • マイクロホンの信号にDSPを適用する
  • マイクロホンから他のデバイスに音声をルーティングする

作業を始める前に、次のものが必要です。

  • Cat5e(またはそれ以上)のイーサネットケーブル
  • パワーオーバーイーサネット(PoE)を供給するネットワークスイッチ
  • コンピューターにインストールされているShure Designerソフトウェア。www.shure.comでダウンロードします。

    注:Designerが使用できない場合は、ウェブアプリケーションを使用してMXA910とDanteコントローラーを制御し、音声をルーティングすることが可能です。Shure Web Device Discoveryアプリケーションをダウンロードして、デバイスのウェブアプリケーションにアクセスします。

ステップ1:ネットワークに接続してDesignerで検出する

  1. Cat5e(またはそれ以上)のケーブルを使用して、マイクロホンをネットワークスイッチのPoEポートに接続します。
  2. Designerが動作するコンピューターをネットワークスイッチに接続します。
  3. Designerを開き、[設定]で正しいネットワークに接続していることを確認します。
  4. オンラインデバイス]をクリックします。オンラインデバイスの一覧が表示されます。
  5. デバイスを識別するには、製品アイコンをクリックして、デバイスのライトを点滅させます。

ステップ2:音声をルーティングしてDSPを適用する

音声をルーティングしてDSPを適用する最も簡単な方法は、Designerの最適化ワークフローを使用することです。最適化により、音声信号のルーティング、DSP設定の適用、ミュート同期の有効化、接続されたデバイスのLEDロジックコントロールの有効化が自動的に行われます。

MXA910には、オートミックスチャンネル出力に適用できるIntelliMix® DSPが含まれています。

この例では、MXA910とANIUSB-MATRIXを接続します。

  1. [マイプロジェクト] > [新規]に進み、新規プロジェクトを作成します。
  2. [新規] > [部屋(ライブ)]を選択し、新しい部屋を作成します。すべてのオンラインデバイスが一覧に表示されます。MXA910とANIUSB-MATRIXをドラッグアンドドロップして部屋に追加します。
  3. 最適化]を選択します。
  4. 音声ルートと設定を確認して、ニーズに合っていることを確認します。次のことが必要になる場合があります。
    • 不要なルートを削除します。
    • AECリファレンス信号が正しくルーティングされていることを確認します。
    • 必要に応じてDSPブロックを微調整します。

また、最適化ワークフロー外のDesignerで、またはDanteコントローラーを使用して、手動で音声をルーティングすることもできます。

ステップ3:マイクロホンのカバー範囲を調整する

  1. マイクロフォンのカバー範囲を調整するには、[カバー範囲マップ]を選択します。
  2. ソフトウェアによって各チャンネルが配置されるようにするには、[自動配置]を使用します。
  3. マイクロホンの各チャンネルを聴き、必要に応じてローブの位置、幅、ゲインを調整します。クリックとドラッグで、各チャンネルの位置を調整します。設定の詳細については、「マイクロホンカバー範囲を構成する」セクションを参照してください。

    MXA910のカバレッジマップを示すDesignerのスクリーンショット。

収音範囲の設定を終えると、ANIUSB-MATRIXから他のDanteデバイスまたはアナログソースに音声を送信できます。

概要

概要

Microflex®Advance™シーリングアレイは、役員会議室、ミーティングルーム、多目的スペースなどのAV会議環境向けの高品質なネットワーク対応アレイマイクロホンです。ShureのSteerable Coverage™およびAutofocus™テクノロジーを採用しており、高い指向性を持つ8つの収音ローブによって参加者の音声を頭上からとらえ、参加者が椅子にもたれかかったり立ち上がったりするのに合わせて各ローブの位置を常時リアルタイムで微調整します。

また、AEC、ノイズリデューサー、オートミックスなどを備えたIntelliMix DSPスイートも搭載しています。マイクロホンのコントロールには、Shure Designerソフトウェア、またはブラウザーベースのウェブアプリケーションを使います。このマイクロホンはDante™デジタルネットワークオーディオ、AES67、およびCrestronやAMXなどのサードパーティー製プリセットコントローラーとシームレスに統合し、インテグレーター、コンサルタント、会議参加者の全員にとって魅力的な高品質のAV会議を実現します。

特長

構成可能な収音範囲

  • Steerable Coverageが最大8つの独立したローブによる正確なピックアップを実現
  • ローブの自動位置設定で素早くインストール
  • 特許出願中のAutofocusテクノロジーは、各ローブの位置を常時リアルタイムで微調整し、参加者が椅子に深くもたれたり立ち上がったりしても一貫したサウンドを実現
    • 無料のアップデートによりファームウェア4.x以降で利用可能

IntelliMix DSP

  • IntelliMix DSPは、自動ミキシング、AEC、ノイズリデューサー、自動ゲインコントロール、遅延、コンプレッサー、およびチャンネルイコライザーを提供します
  • 無料のアップデートによりファームウェア4.x以降で利用可能

ソフトウェアコントロール

  • Shure Designerシステム構成ソフトウェアにより、マイクロホンとパターンを包括的にコントロール
  • Designerを使用すると、オンラインおよびオフラインのデバイスでカバー範囲を設計し、Shureデバイス間で音声をルーティング可能
  • Designerが使用できない場合は、ブラウザベースのウェブアプリケーションを使用してマイクロホンを制御
  • 遠隔監視と重大な問題に関するリアルタイムの警告を提供するShure SystemOn音声アセット管理ソフトウェアに対応

ネットワーク接続対応

  • 各ローブとオートミックスチャンネルの個々の音声チャンネルを1本のネットワークケーブルで伝送
  • Danteデジタルオーディオは、ITおよびコントロールデータと同一ネットワーク上で安全に共存でき、あるいは専用ネットワークとしても構成可能
  • Crestron、AMXといったサードパーティー製プリセットコントローラー用のコントロールストリング

プロフェッショナルデザイン

  • スマートなインダストリアルデザインは、コンテンポラリーなボードルームや会議スペースに調和
  • 天井、ポールマウント、吊りケーブルなど、多様な装着オプション
  • ホワイト、ブラック、アルミニウム仕上げの製品をご用意(着脱式のグリルは任意の色に塗装可能)

システム概要

① Danteオーディオ、電源、コントロール

各アレイマイクロホンは1本のネットワークケーブルでネットワークに接続され、このケーブルによりDanteオーディオ、パワーオーバーイーサネット(PoE)、および収音範囲、オーディオレベル、プロセッシングを調整するコントロール情報が伝送されます。

② アナログ音声(マイクロホンからネットワークへ)

ワイヤレスマイクロホンシステムや演壇上のグースネックマイクロホンといったアナログ機器は、Shureネットワークインターフェース(モデルANI4IN)を経由してDanteオーディオネットワークに接続することで、完全にネットワーク接続された会議システムが実現します。

③ ファーエンド音声(ネットワークからラウドスピーカーへ)

Dante対応ラウドスピーカーやアンプは、ネットワークスイッチに直接接続します。アナログのラウドスピーカーとアンプは、Shureネットワークインターフェース(モデルANI4OUT)を経由して接続します。このユニットはDanteオーディオチャンネルをアナログ信号に変換し、4つの独立したXLRまたはブロックコネクター出力を提供します。

④ デバイスコントロールとDanteオーディオ

制御:ネットワークに接続されたコンピューターから、Shure Designerソフトウェアを使用してマイクロホンを制御します。カバー範囲、ミュート、LEDの動作、ローブの設定、ゲイン、ネットワーク設定をリモートで調整できます。

オーディオ:Dante™ ControllerまたはShure Designerを使用して音声をルーティングします。Dante Virtual Soundcardを用いると、音声のモニタリングと録音をコンピューター上で直接実行できます。

ハードウェア

ネットワークイーサネットポート

ネットワークポートはすべての音声、電源、およびコントロールデータを伝送します。このポートはバックパネルの図の位置にあります。

① ネットワークポート

ネットワーク接続用RJ-45ジャック。

② ネットワークステータスLED (緑)

消灯= ネットワークリンクなし

点灯 = ネットワークリンク確立済み

点滅 = ネットワークリンクは動作中

③ ネットワーク速度LED(オレンジ)

消灯 = 10/100 Mbps

点灯 = 1 Gbps

LED Light Bar

The LED on the microphone indicates whether the microphone is active or muted, identifies the hardware, and provides confirmation of firmware updates.

Image showing where the MXA910's LED light bar is located: the upper left corner of the microphone near the Shure logo.

Default Settings

Microphone Status LED Behavior / Color
Active Green (solid)
Mute Red (solid)
Hardware identification Green (flashing)
Firmware update in progress Green (progresses along bar)
Reset

Network reset: Red (progresses along bar)

Factory reset: Triggers device power-up

Error Red (split, alternate flashing). See the device event log for details.
Device power-up Multi-color flash, Blue (moves quickly back and forth across bar)

Note: When the LED is disabled, the LED still illuminates while the device is powering up and when an error state occurs.

Customizing Lighting Settings

Custom LED brightness, colors, and behaviors are assignable in the control software. They can also be controlled through an external control system:

  1. Open the Configuration tab
  2. Select Light Bar

Mute LED Behavior

The lighting for mute and active microphone states is configurable to match the behavior of other devices in conference rooms. In the LIGHT BAR PROPERTIES menu, use the drop-down menus to select LED settings.

Dimming and Disabling

To dim or turn off the LED, use the brightness fader.

パワーオーバーイーサネット(PoE)

このデバイスが作動するにはPoEが必要です。デバイスはクラス0クラス3の両方のPoEソースと互換性があります。

パワーオーバーイーサネットは次のいずれかの方法により利用できます:

  • PoEを備えたネットワークスイッチ
  • PoEインジェクターデバイス

Reset Button

The hardware reset button is located inside a grille hole and can be pushed with a paperclip or other small tool. The hole is identified with a gray circle. When looking at the Shure logo, it is the second hole in the fourth row from the top.

Black arrow pointing to a grille hole with the reset button on the MXA910.

Reset Modes

Network reset (press button for 4-8 seconds)

Resets all Shure control and audio network IP settings to factory defaults. Red LED along bar.

Full factory reset (press button for longer than 8 seconds)

Restores all network and web application settings to the factory defaults. Multicolor flash, then blue LED along bar.

Software Reset Options

Reboot Device (Settings > Factory Reset): Power-cycles the device as if it were unplugged from the network. All settings are retained when the device is rebooted.

Default Settings (Presets > Restore default settings): Restores audio settings back to factory settings (excluding device name, IP settings, and passwords).

Designerの最適化ワークフローの使用

Designerの最適化ワークフローにより、少なくとも1つのマイクロホンと1つのオーディオプロセッサーを備えたシステムの接続プロセスを素早く行うことができます。また、最適化により、MXAネットワークミュートボタンがある部屋にミュートコントロールルートも作成されます。部屋で[最適化]を選択すると、Designerは次のことを行います。

  • 音声ルートとミュートコントロールルートの作成
  • 音声設定の調整
  • ミュート同期をオン
  • 該当するデバイスのLEDロジックコントロールの有効化

デバイスの特定の組み合わせに対して、設定が最適化されます。設定をさらにカスタマイズすることもできますが、最適化ワークフローは出発点として適しています。

部屋を最適化した後は、ニーズに合わせて設定を確認および調整する必要があります。これらのステップには次のようなものがあります:

  • 不要なルートを削除します。
  • レベルを確認し、ゲインを調整します。
  • AECリファレンス信号が正しくルーティングされていることを確認します。
  • 必要に応じてDSPブロックを微調整します。

互換性のあるデバイス:

  • MXA910
  • MXA920
  • MXA710
  • MXA310
  • P300
  • IntelliMix Room
  • ANIUSB-MATRIX
  • MXN5-C
  • MXAネットワークミュートボタン

最適化ワークフローの使用方法:

  1. 関連するすべてのデバイスを部屋に配置します。
  2. 最適化]を選択します。Designerは、機器の組み合わせに合わせてマイクロホンとDSPの設定を最適化します。

    デバイスを削除または追加した場合は、もう一度[最適化]を選択します。

マイクロホン設定

ソフトウェアの概要

Designerを使用して、管理者と技術者は以下のコントロールができます。

カバー範囲:ローブの幅と位置を調節、テンプレートの選択、プリセットの保存と読み込み、ライトバー設定のカスタマイズ、自動セットアップを行います。

チャンネル:チャンネルレベルの調整とモニター、チャンネルのミュートとチャンネルグループ、オートミックスの設定、イコライザーの設定を行います。

設定:ネットワークIP設定、デバイス名、パスワード、言語、ファームウェアの識別、およびデバイスのリセットをコントロールします。

ソフトウェアワークフローの基礎

各ローブは、独立したマイクロホンと考えてください。テーブル上に8つのマイクロホンがある場合、それぞれは物理的に座席配置に応じて移動でき、ミキサーに接続されて独立したゲインとチャンネルコントロールが行われます。Microflex Advanceシーリングアレイマイクロホンでは、Designerにより物理的なカバー範囲と音声チャンネル設定をコントロールし、ユーザープリセットを用いて構成を素早く切り替えることができます。各ローブは、座席配置に応じて移動でき、3種類の幅設定によりカバーエリアサイズを変更することができます。独立したミキサーチャンネルとして、各ローブのレベルとオーディオプロパティをコントロールします。

各ローブはグラフィカルに表示され、ドラッグして任意の位置に移動できます。対応するミキサーチャンネルで、各ローブのオーディオ設定をコントロールします。

MXA910のマイクロホン収音範囲の設定

MXA910を設定するには、以下のステップに従ってください。

デバイスプロパティを設定する

デバイスを選択し、プロパティを設定します。

  1. デバイスの高さ(床とマイクロホンの間の距離)の値を入力します。既定では、デバイスの高さは天井の高さと一致しますが、個別に調整することもできます。
  2. レイアウトに合わせてデバイスを移動したり回転させたりします。

マイクロホン収音範囲を配置する

  1. ワークスペースの上にある[チャンネルを追加する]をクリックして、チャンネルを追加します。
  2. 発言者の高さを、チャンネルを選択してからプロパティに値を入力します。これにより正確な向きとなります。
  3. チャンネルを移動して適切なエリアをカバーします。
    • チャンネルは個々に選択可能で、最大許容範囲エリア内であれば、どこへでも移動することができます。許容範囲外に出ると、ローブは赤くなり、直前の許容範囲へ戻ります。
    • チャンネルをドラッグし、微調整して配置します。デバイスとワークスペースの0,0に対する距離の値は、[プロパティ]パネルで計算されます。
    • グリッドを使用して正確な位置を測ります。
  4. チャンネルの位置を移動しながら、各位置で誰かに話してもらい、チャンネルに耳を傾けてもらいます。それぞれに最適な位置を得るために、位置に応じてローブを移動します。

    参加者が位置を移動すると、Designerのカバレッジマップでローブが移動し、Autofocusテクノロジーが動作していることがわかります。Autofocusは、会議の参加者が後ろにもたれかかったり、立ち上がったりしても、各ローブの位置をリアルタイムで微調整します。

チャンネルの幅を調整する

独立した幅コントロールにより、いくつかのチャンネルでは個々の発言者(狭幅)を収音し、他のチャンネルでは複数の発言者(広幅)をカバーすることが可能です。

チャンネル幅を変更するには:

  1. チャンネルを選択します
  2. プルダウンメニューで幅の設定を選択します。幅はローブの位置と、入力されたデバイスと発言者の高さに基づいて計算されて表示されます。

幅の設定:

  • 狭幅(35°)
  • 中間(45°)
  • 広幅(55°)

テーブルの上6フィートの位置にマイクロホンがある場合の3つの設定のチャンネル幅

自動配置を使用する

自動配置]を使用して、選択したチャンネルのローブを正しく配置できます。

  1. チャンネルを選択します。
  2. 自動配置をクリックします。
  3. 正しいチャンネルが選択され、発言者の高さが指定されていることを確認します。
  4. 部屋の中のカバーしたい各エリアで誰かに話してもらい、リスニングをクリックします。Designer がチャンネルの正しい位置と幅をリッスンし、決定します。
  5. 確認ダイアログは、Designer が正しい位置と幅を決定した場合に表示されます。各ローブの位置を自分で聞いて、正しく配置されていることを確認できます。

Autofocusを使用したカバーエリアの改善

このマイクロホンは、内蔵Autofocusテクノロジーを使用して、会議参加者が後ろにもたれかかったり立ち上がったりしても、各ローブの位置をリアルタイムで微調整します。参加者が位置を変えると、Designerのカバーエリアマップのローブが移動することがわかります。Autofocusは室内の音源にのみ応答します。

Autofocusで最良の結果を得るには、リファレンスソースを常にマイクロホンのAEC Reference Inチャンネルにルーティングします。マイクロホンおよび別のDSPからの直接出力のみを使用している場合でも、Autofocusを最大限に活用するために、リファレンス信号をマイクロホンのAEC Reference Inチャンネルにルーティングします。

レベルの調整

Microflex上のゲインレベル 全ての座席配置構成での最適ゲイン構造を得るためには、Advance マイクロホンでのゲインレベルは保存されている各収音プリセットに対し設定されなければなりません。パフォーマンスを最大限に高めるには、オートミックス設定に変更を加える前に、必ずレベルを調整します。

  1. 通常のスピーチ音量により、各カバー範囲についてレベルチェックを実施します。 メーターのピークが-20 dBFS程度になるようにフェーダーを調整してください。
  2. イコライザー設定を調整し、音声の了解度を最適化してノイズ(空調システムにより生じる低周波数の雑音など)を最小にします。
  3. イコライザー設定によりレベルが大幅に増減する場合は、ステップ1に従って必要なレベル調整を行います。

チャンネルとIntelliMixゲインフェーダーを使用する場合

別々の目的に利用できる二つの異なるゲインフェーダーがあります:

チャンネルゲイン(ゲート前)

調整するには チャンネル. を開いてください。これらのフェーダーはオートミキサーに届く前のチャネルのゲインに影響を与えますので、オートミキサーのゲーティング判定に影響します。ここでゲインを高めることはローブの音源に対する感度を上げてゲートをオンにする可能性が高くなります。ゲインを下げるのはローブの感度を下げてゲートがオンになる確率を下げます。オートミキサーを使用せず各チャンネルに直接出力のみを使用する場合はこのゲインフェーダーの使用だけが必要です。

IntelliMixゲイン(ゲート後)

調整するには次を開いてください。 構成 > IntelliMix. これらのフェーダーはローブがゲートオンになってからのチャンネルのゲインを調整します。ここでゲインを調整ることはAutomixerのゲーティング判定に 影響しません。Automixerの挙動に満足している場合にのみ話者のゲインを調整するためにこれらのフェーダーを使ってください。

パラメトリックイコライザー(PEQ)

パラメトリックイコライザーで周波数特性を調整し、音質を最大限に高めます。

イコライザーの一般的用途:

  • スピーチの了解度の改善
  • 空調システムやビデオプロジェクターからの雑音の低減
  • 部屋の不規則性を軽減
  • PAシステムの周波数特性の調整

全てのEQフィルターをオフにするにはすべてのEQをバイパスを選択してください。

システムを構成するためにShure Designerソフトウェアを使用している場合、このトピックの詳細については、Designerのヘルプセクションを確認してください。

フィルターパラメーター設定

周波数特性グラフのアイコンを操作するか、数値を入力してフィルター設定を調整します。フィルターの横にあるチェックボックスでフィルターを無効にできます。

フィルターの種類

一番最初と最後の帯域のみフィルタータイプが選択できます。

パラメトリック:カスタマイズ可能な周波数範囲内の信号を減衰またはブーストします

ローカット:選択した周波数以下の音声信号をロールオフします

ローシェルフ:選択した周波数以下の音声信号を減衰またはブーストします

ハイカット:選択した周波数以上の音声信号をロールオフします

ハイシェルフ:選択した周波数以上の音声信号を減衰またはブーストします

周波数

カット/ブーストするフィルターの中心周波数を選択します

ゲイン

フィルターのレベルを調整します(+/- 30 dB)

Q

フィルターの影響を受ける周波数範囲を調整します。この値が大きくなるにつれ、帯域幅は狭くなります。

フィルターの影響を受ける周波数範囲を調整します。値はオクターブで表されます。

注:Qおよび幅のパラメーターは、同じ形で等化曲線に影響を及ぼします。相違点は、値の表示方法のみです。

Export Equalizerチャンネル設定をコピー、ペースト、インポートおよびエクスポートする

これらの機能を使用すると、前のインストールから有効なイコライザー設定を使用することが簡単になったり、設定時間を短縮できたりします。

コピーおよびペースト

複数のチャンネルすべてに対して、同じPEQ設定を適用するのに使用します。

  1. PEQスクリーンでプルダウンメニューからチャンネルを選択します。
  2. コピーを選択します
  3. プルダウンメニューで、PEQ設定に適用するチャンネルを選択してから [Paste] を選択します。

インポートおよびエクスポート

コンピューター上のファイルからPEQ設定を保存して読み込むのに使用します。これは、システムのインストールに使用するコンピューター上に再使用可能な設定のライブラリを作成するのに役立ちます。

エクスポート

PEQ設定を保存するチャンネルを選択し、ファイルにエクスポートを選択します。

インポート

PEQ設定を読み込むチャンネルを選択し、ファイルからインポートを選択します。

チャンネルやオートミックスイコライザーを使用する場合

音声の明瞭度を改善するための高域ブーストといったシステム全体の変更にはオートミックスEQを用います。特定のチャンネルを調整するにはチャンネルEQを使用します。例えば、あるチャンネルだけで拾われている不必要な雑音を低減する場合に用います。

イコライザーの用途

会議室の音響は部屋の大きさ、形、建築材料に左右されます。以下の表のガイドラインを使用してください。

EQ用途 推奨設定
音声了解度改善のための高域ブースト ハイシェルフフィルターを加えて、1 kHzよりも3~6 dB程度高めます。
空調雑音の低減 ローカットフィルターを加えて、200 Hz以下の周波数を減衰させます。
フラッターエコーおよびシビランスの低減 部屋を「煽る」特定の周波数範囲を特定します:
  1. Q値を狭く設定します。
  2. ゲインを+10から+15 dB間まで増加させた上で1 kHzから6 kHz間の周波数を試すと、フラッターエコーやシビランスの範囲を特定できます。
  3. 特定された周波数のゲインを下げ(-3から-6 dBの間でスタート)、不要な部屋の雑音を最小にします。
部屋の反響や共鳴音を低減します 部屋を「煽る」特定の周波数範囲を特定します:
  1. Q値を狭く設定します。
  2. ゲインを+10から+15 dB間まで増加させた上で300 Hzから900 Hz間の周波数を試すと、共鳴周波数を特定できます。
  3. 特定された周波数のゲインを下げ(-3から-6 dBの間でスタート)、不要な部屋の雑音を最小にします。

EQ Contours

Use the built-in equalizer contours to quickly apply EQ changes to all channels. EQ contours are separate from the per-channel EQ settings. Applying both EQ contours and per-channel EQ has a cumulative effect, meaning that the EQ changes stack on top of each other.

To enable a contour, open the web application and select a contour in the device options section.

  • Off: Turns off any active EQ contours
  • High Pass (default): 300 Hz low-cut filter
  • Low Shelf: 960 Hz, -10 dB low-shelf filter
  • Multi-Band: 200 Hz low-cut filter; parametric 450 Hz, -10 dB, 2.87 Q, ½ octave; parametric 900 Hz, -10 dB, 2.87 Q, ½ octave

Click Bypass all EQ to quickly bypass any EQ contours or channel EQ settings.

Best Practices

  • Listen to and test your system as you make EQ changes, and make sure they work for your specific room.
  • When using with a P300 audio conferencing processor, turn off the microphone's channel EQ and EQ contours. Use the P300 to make EQ adjustments.

カスタムプリセット

プリセットを使用すると設定のすばやい保存や呼び出しができます。様々な座席配置に合わせて、各デバイスには最大10種類のプリセットを保存できます。プリセットには、デバイス名、IP設定、およびパスワードを除き、すべてのデバイス設定が保存されます。新しい設置へのプリセットのインポートとエクスポートを行うことにより、時間を節約し、ワークフローを改善することができます。プリセットが選択されている場合、プリセットメニューの上に名前が表示されます。変更が行われると、名前の横にアスタリスク (*) が表示されます。

注:工場出荷時設定に戻すには、デフォルト設定プリセットを使用します(デバイス名、IP Settings、およびPasswordsを除く)。

次のプリセットメニューを開いて、プリセットオプションを表示します:

プリセットとして保存: デバイスへの設定を保存します
プリセットをロード: デバイスから設定を開きます
ファイルからインポート: コンピュータからプリセットファイルをデバイスにダウンロードします。ファイルは、ブラウザを介して選択するか、インポートウィンドウにドラッグすることができます。
ファイルにエクスポート: デバイスのプリセットをコンピュータに保存します

ミュートおよびフェーダーグループ

ミュートグループまたはフェーダーグループにチャンネルを追加すると、対応するコントロールはすべてリンクされます。例えば、チャンネル1、2、3をミュートグループに追加すると、それらのチャンネルのいずれかをミュートするとグループ化されたすべてのチャンネルがミュートされます。

システムを構成するためにShure Designerソフトウェアを使用している場合、このトピックの詳細については、Designerのヘルプセクションを確認してください。

ミュート同期

ミュート同期により、会議システム内の接続されているすべてのデバイスが、信号パス内の正しいポイントで同時にミュートまたはミュート解除されます。ミュートステータスは、ロジック信号またはUSB接続を使用してデバイスで同期されます。

ミュート同期を使用するには、すべてのデバイスでロジックが有効になっていることを確認してください。

Designerの[最適化]ワークフローにより、必要なすべてのミュート同期設定が構成されます。

互換性のあるShureロジックデバイス:

ミュート同期を使用するには、ロジックをオンにしたプロセッサーにマイクロホンの信号をルーティングします(P300、ANIUSB-MATRIX、またはIntelliMix Roomソフトウェア)。マイクロホンでは常にロジックがオンになっています。

特定のミュート同期の実装方法については、FAQを参照してください

電池の装着方法

マイクロホンの設置

部屋の不確定要素

マイクロホンの最適な配置は、座席配置とインフラストラクチャーによって決まります。 最善の結果を得るためには以下のガイドラインに従ってください。

  • 家具の配置を柔軟に変更できる部屋または複数のアレイマイクロホンのある部屋では、ウェブアプリケーションまたはShure Designerソフトウェアにあるマイクロホン構成ツールを使用して、すべてのシートアレンジについてカバー範囲が適切かを確認します。
  • ローブは各発言者の正面に向ける必要があります。ビデオ会議中に発言者がスクリーンを見る可能性がある部屋での配置は慎重に行ってください。
  • 換気口やビデオプロジェクターといった不要なノイズ源のすぐそばへのマイクロホンの配置は避けます。
  • 残響が非常に多い部屋では、音声の了解度を改善するための音響処理を施すことを検討します。

取り付け高さ

設定可能な最大取り付け高さは9.14メートル(30フィート)です。典型的な音響環境1において、マイクロホンと発言者間の距離が4.88メートル(16フィート)までの場合、マイクロホンはSTIPA2(Speech Transmission Index for Public Address systems)国際基準に基づく「A」等級を維持します。これより優れた音響環境では、STIPAの「A」等級の範囲が16フィートを超えることがあります。

取り付け高さを決定する際には、以下の点を検討します。

  • シーリングアレイのピックアップパターンは、ショットガンマイクロホンより狭いため、他のマイクロホンよりも音源から離れた位置に配置できます。ウェブアプリケーションは各チャンネルについて理論値としてのカバー範囲を示すもので、音声が劣化またはゲートオフする具体的な境界というものはありません。ローブの各幅設定における感度データは、製品仕様書に記載されています。
  • すべてのマイクロホンと同様、音源からの距離の増加にともない音質は変化します。
  • 了解度スケールは、所定の高さにおいてマイクロホンがどのような音になるかを予測するのに有効です。
  • ローブのカバーエリアは、距離が増加するほど広くなります。

[1] 部屋の条件:RT60(残響時間)=500 ms@1 kHz、Aウェイテッド室内雑音=40 dBSPL(A)

[2] IEC-602682-16基準

了解度スケール

了解度スケールは、様々な距離においてアレイマイクロホンの音響性能をカーディオイドグースネックマイクロホンと客観的に比較したものです。この情報は、所定の距離でアレイマイクロホンがどのような性能を示すかを予測し、最適な取り付け高さを決定するのに有効です。了解度スケールの表のデータは、マイクロホンを計測して音声伝達指標IEC-602682-16基準に相当する値となるマイクロホンの測定値から得られています。

音声伝達指標値に相当する距離

シーリングアレイマイクロホン(発言者までの距離) カーディオイドグースネックマイクロホン(発言者までの距離)
1.83メートル(6フィート) 1.14メートル(3.75フィート)
2.44メートル(8フィート) 1.52メートル(5フィート)
3.05メートル(10フィート) 1.91メートル(6.25フィート)
3.66メートル(12フィート) 2.29メートル(7.5フィート)

データは以下の測定値を持つ典型的なハドルルームで収集されました:

  • 残響減衰時間:500 ms @ 1 kHz
  • ノイズフロア:40 dB SPL(Aウェイテッド)

注:これらの値は上記の部屋に固有の値です。十分にコントロールされた音響環境では、アレイマイクロホンが音声伝達指標相当値をより離れた距離で得られる場合もあります。残響が非常に大きい部屋では、性能の予測は困難になります。

A=アレイマイクロホンと発言者間の距離

B=カーディオイドマイクロホンと発言者の間の距離

この例において、発言者から (A) メートルの距離に設置されたアレイマイクロホンの音響性能は、発言者から (B) メートルの距離に置かれたカーディオイドグースネックマイクロホンの性能と一致します。

アレイマイクロホンの設置

アレイマイクロホンは天井格子に直接取り付けるか、他の方法で取り付けられます。

作業の前に:

  • プラスチック製の保護カバーをマイクロホンから外します。
  • 天井格子のサイズに適切なモデルバリエーションであることを確認します。
  • オプションのジャンクションボックスを使用する場合は、天井に取り付ける前にボックスを取り付けます。

重要:60 cmモデルを2フィート(609.6 mm)の天井格子に取り付けないでください。

モデル種類

モデル 天井格子のサイズ
2×2 フィート(60.9×60.9 cm) ブラック
2×2 フィート(60.9×60.9 cm) 白色
アルミニウム 2×2 フィート(60.9×60.9 cm) A910-25MM(アダプター)
60 x 60 cm(23.6 x 23.6インチ) ブラック
60 x 60 cm(23.6 x 23.6インチ) 白色
アルミニウム 60 x 60 cm(23.6 x 23.6インチ) A910-25MM(アダプター)
MXA910W-A 2×2 フィート(60.9×60.9 cm) 白色
MXA910W-US 2×2 フィート(60.9×60.9 cm) 白色

ゴム製スクラッチプロテクター(MXA910およびMXA910-60CM)

オプション:マイクロホンを天井に取り付ける前に、付属のゴムパッドをマイクロホンの角に付けることで擦り傷を防止できます。

Illustration showing how to install rubber scratch protectors on the corners of MXA910 and MXA910-60CM microphones.

天井設置(MXA910およびMXA910-60CM)

  1. アレイマイクロホンを取り付ける天井格子のスペースを確保してください。
  2. 天井格子の上にイーサネットケーブルを通線し、天井の開口部から引き出します。

    注:コンジットを直接接続する場合は、ジャンクションボックスの別売オプション(A910-JB)をマイクロホンに取り付けます。

  3. アレイマイクロホンの出力にイーサネットケーブルを接続します。
  4. 網組金属ケーブルまたはその他の高強度ワイヤー(別売)を使用して、マイクロホンの背面にあるいずれかの吊り下げポイントと建物の構造の間に安全索を取り付けてください。この安全対策により、万一の場合にもマイクロホンの落下事故を防ぐことができます。安全索に張力がかかっていないことを確認してください。また、地域の規則に従ってください。
  5. 天井格子にマイクロホンを取り付けます。

Numbered illustrations showing how to install MXA910 and MXA910-60CM models in a ceiling grid.

ゴム製スクラッチプロテクター(MXA910W-A)

オプション:マイクロホンを天井に取り付ける前に、付属のゴムパッドをマイクロホンフランジの角に付けることで擦り傷を防止できます。

Diagram showing how to install rubber scratch protectors on the corners of MXA910W-A microphones.

天井設置(MXA910W-A)

  1. アレイマイクロホンを取り付ける天井格子のスペースを確保してください。
  2. 天井格子の上にイーサネットケーブルを通線し、天井の開口部から引き出します。

    注:コンジットを直接接続する場合は、ジャンクションボックスの別売オプション(A910-JB)をマイクロホンに取り付けます。

  3. アレイマイクロホンの出力にイーサネットケーブルを接続します。
  4. 網組金属ケーブルまたはその他の高強度ワイヤー(別売)を使用して、マイクロホンの背面にあるいずれかの吊り下げポイントと建物の構造の間に安全索を取り付けてください。この安全対策により、万一の場合にもマイクロホンの落下事故を防ぐことができます。安全索に張力がかかっていないことを確認してください。また、地域の規則に従ってください。
  5. 天井格子にマイクロホンを取り付けます。フランジは天井格子に置かれ、マイクロホンはその下に吊り下げます。

Numbered illustrations showing how to install the MXA910W-A model in a ceiling grid.

注:天井格子Tバーの幅によっては、MXA910W-Aを取り付けるために片側のTバーを取り外すか調整する必要があります。

Side view of an MXA910W-A microphone showing how it sits in a grid ceiling.

ゴム製スクラッチプロテクター(MXA910W-US)

オプション:マイクロホンを天井に取り付ける前に、付属のゴムパッドをマイクロホンフランジの角に付けることで擦り傷を防止できます。

Side view showing where to place the rubber scratch protectors on the MXA910W-US.

天井設置(MXA910W-US)

  1. アレイマイクロホンを取り付ける天井格子のスペースを確保してください。
  2. 天井格子の上にイーサネットケーブルを通線し、天井の開口部から引き出します。

    注:コンジットを直接接続する場合は、ジャンクションボックスの別売オプション(A910-JB)をマイクロホンに取り付けます。

  3. アレイマイクロホンの出力にイーサネットケーブルを接続します。
  4. 網組金属ケーブルまたはその他の高強度ワイヤー(別売)を使用して、マイクロホンの背面にあるいずれかの吊り下げポイントと建物の構造の間に安全索を取り付けてください。この安全対策により、万一の場合にもマイクロホンの落下事故を防ぐことができます。安全索に張力がかかっていないことを確認してください。また、地域の規則に従ってください。
  5. 天井格子にマイクロホンを取り付けます。フランジは天井格子に置かれ、マイクロホンはその下に吊り下げます。

Numbered steps showing how to install the MXA910W-US microphone in a ceiling.

Side view of the MXA910W-US microphone installed in a ceiling.

吊り下げ取り付け

Back view of MXA910 ceiling array microphone showing the 4 VESA mounting holes and the 4 eyelets for suspension mounting.

① ワイヤー吊り下げポイント(穴径4 mm)

② VESA取り付け孔

4点ワイヤー吊り下げ

網組金属ケーブルまたは高強度ワイヤーを使用して、確実にマイクロホンを天井から吊り下げてください。マイクロホンの背面にある4つの吊り下げポイントを使用して、ケーブルを確実に取り付けます。吊り下げポイントの穴径は4 mm (0.15 in)です。

VESA規格マウント

マイクロホンの背面プレートには、VESA取り付け器具にマイクロホンを取り付けるための4つの取り付けネジ孔があります。これらの取り付けネジ穴はVESA MIS-D 基準準拠します。

  • ネジ仕様:M4ネジ(マイクロホンのネジ孔の深さ = 9.15 mm)
  • 穴の間隔:100 mm(四角形)

堅い天井の取り付け

A910-HCMアクセサリーを使用すると、タイル格子のない堅い天井にマイクロホンを取り付けることができます。

詳しくはwww.shure.comをご覧ください。

コンポーネントの塗装

アレイマイクロホンのグリルとフレームは、部屋のデザインと調和させるために塗装することができます。塗装するには簡単な分解が必要です。

ステップ1:フレームとグリルの取り外し

  1. フレーム上のメインアッセンブリーを固定しているネジを外します(一辺6本)。これらのネジとリアパネルの間にはワッシャーがあります。

    重要:端にある、パネルに落とし込まれているネジを外さないでください(図を参照)。

  2. アッセンブリーをフレームから慎重に持ち上げて外します。
  3. 灰色のプラスチック製LEDライトパイプを外して下さい。黒いプラスチックガイドをそのままにしてください。
  4. フレームの一辺の4本のネジをすべて外します(図を参照)。
  5. フレームの側面を取り外します。
  6. フォームを取り外しやすくするため、フラットグリルをスライドさせてフレームから引き出します。
  7. グリルからフォームを慎重に取り外してください。マジックテープで取り付けられている端の部分を引っ張ってください。

    重要:フォームを塗装しないでください。

Step 1.1: Illustration showing 4 screws to leave in place as you take apart the microphone for painting.

(1.1) メインアッセンブリーを外すために取り外すネジ

Steps 1.4-1.5: Illustration showing how to remove 4 screws from one side of the microphone to detach 1 side of the frame for painting.

(1.4 - 1.5) ネジとフレームの一辺の取り外し

ステップ2:マスキングと塗装

  1. マスキングテープを使用して、フレームの内側に沿う押し出し部分全体を覆います。これにより、元に組み立てたときに必要な金属部の接触が得られるようになります。
  2. マスキングテープを使用して、グリルのフック&ループファスナーストリップを覆います。
  3. フレームとグリルの部分を塗装し、完全に乾いてから元どおりに組み立てます。メインアッセンブリーは、いずれの部分も塗装しないでください。

Step 2.1: Illustration showing which areas of an MXA910 microphone to mask while you paint it.

(2.1) 押し出し部分のマスキング(黒でハイライト)

ステップ3:再組み立て

  1. フォームの端にフック&ループファスナーストリップを取り付けて固定します。
  2. グリルをスライドさせてフレーム内の元の位置に戻します。
  3. フレームの残りの一辺を取り付けて、4本のネジで固定します。
  4. LEDをライトパイプの位置を合わせ、フレーム上の元の位置にアッセンブリーを戻します。
  5. LEDをライトパイプと揃えて、フレーム上の元の位置にアセンブリを戻します。

    注:アッセンブリー上のラベルは、LEDに対応する角に貼られています。再組立ての際は、このラベルを参照して向きが正しいことを確認してください。

  6. ネジを取り付けて(一辺6本)メインアッセンブリーをフレームに固定します。締め過ぎないように注意してください。

ケーブルの取り回し

イーサネットケーブルが見えないようにするには、設置方法に基づいて適切な方法をとります。

取り付け方法 取り回し方法
天井格子 天井格子の上にケーブルを通線します
VESA(ポールマウント) ケーブルをポールに通して天井格子の上にケーブルを通線します
4点ワイヤー吊り下げ ケーブルタイを使用し、吊り下げられたワイヤのうちの1本にCAT5ケーブルを沿わせます
堅い天井 天井の上にケーブルを通線します

注:コンジットにケーブルを収める場合は、ジャンクションボックスの別売アクセサリー(モデルA910-JB)を使用して、マイクロホンのリアパネルに直接取り付けます。

ジャンクションボックスアクセサリーの取り付け

A910-JBジャンクションボックスをマイクロホンに取り付けると、ケーブル配線のために電線管を接続することができます。各地域の建築基準法および規則を参照し、ジャンクションボックスが必要か否か判断してください。ジャンクションボックスには、電線管を取り付けるためのパンチアウト部分が3つあります。

Illustration showing the 3 knockouts on A910-JB junction boxes for MXA910 microphones.

重要:ジャンクションボックスをマイクロホンに取り付ける前に、ジャンクションボックスの必要な穴をパンチアウトします。

装着方法:

  1. 図示のとおり、マイクロホンからねじを4本外します。
  2. ジャンクションボックスをねじ穴に合わせます。可能な場合は、ジャンクションボックスを固定する前に、ネットワークケーブルをマイクロホンに接続します。

    Diagram showing how to align and install A910-JB junction boxes on MXA910 ceiling array microphones.

  3. 4本のねじを取り付けて、ジャンクションボックスをマイクロホンに固定します。

The A910-JB junction box properly installed on an MXA910 ceiling array microphone.

ソフトウェアのインストール、管理、およびセキュリティ

Shure Designerソフトウェアによるデバイスの制御

Shure Designerソフトウェアを使用してこのデバイスを制御できます。Designerにより、インテグレーターおよびシステムプランナーはMXAマイクロホンやその他のShureネットワークコンポーネントを使用したインストールのオーディオカバー範囲を設計できます。

Designerを使用すると、次のことができます。

  • オンラインでもオフラインでも、オーディオカバー範囲を設計する
  • デバイスの設定とカバー範囲を制御する
  • Shureデバイス間での音声のルーティング
  • 一度に多くのデバイスに設定をプッシュする
  • 複数のロケーションおよびプロジェクトにわたるテンプレートを作成および再利用する
  • 平面図をインポートする

Designerでデバイスにアクセスするには:

  1. デバイスと同じネットワークに接続されているコンピューターに、Designerをダウンロードしてインストールします。
  2. Designerを開き、[設定]で正しいネットワークに接続していることを確認します。
  3. オンラインデバイス]をクリックします。オンラインデバイスの一覧が表示されます。
  4. デバイスを識別するには、製品アイコンをクリックして、デバイスのライトを点滅させます。リストでデバイスを選択し、[構成]をクリックしてデバイスの設定ウィンドウを開きます。

詳細情報とソフトウェアのダウンロードには次にアクセスしてください:www.shure.com/designer

ウェブアプリケーションへのアクセス

Shureウェブサーバーディスカバリーアプリケーションは、ウェブベースのGUIを採用するネットワーク上のすべてのShureデバイスを検出します。以下のステップに従ってソフトウェアをインストールし、ウェブアプリケーションにアクセスします。

① Shureディスカバリーアプリケーションのインストール

www.shure.comからShureディスカバリーアプリケーションをダウンロードしてインストールします。これにより、必要なBonjourデバイスディスカバリーツールがコンピューターに自動的にインストールされます。

② ネットワークの接続

コンピューターとハードウェアが同じネットワーク上にあることを確認します。

③ ディスカバリーアプリケーションの起動

アプリケーションは、GUIを搭載したすべてのShureデバイスを表示します。

④ ハードウェアの識別

デバイスをダブルクリックし、ウェブブラウザー上でGUIを開きます。

⑤ デバイスのウェブアプリケーションのブックマーク作成(推奨)

デバイスのDNS名をブックマークすると、Shureディスカバリーアプリケーションを使用せずにGUIにアクセスできます。

ウェブアプリケーションとブラウザーの互換性

ウェブアプリケーションは、すべてのHTML5に対応したブラウザーと互換性があります。最適なパフォーマンスのためには、ハードウェアアクセラレーションおよび使用していないプラグインを無効にすることをお勧めします。

ディスカバリーアプリを用いないウェブアプリケーションアクセス

ディスカバリーアプリケーションがインストールされていなくとも、インターネットブラウザーにDNS名を入力してウェブアプリケーションにアクセスできます。DNS名はユニットのモデルにMACアドレスの最後の3バイト(6桁)を組み合わせ、その後に.localを付けたものになります。

形式の例:ユニットのMACアドレスが00:0E:DD:AA:BB:CCの場合、リンクは次のように記述されます:

MXA910http://MXA910-aabbcc.local

次を使用してファームウェアをアップデートする方法: Designer

Designer 4.2以降に適用されます。

デバイスをセットアップする前に、Designerを使用してファームウェアのアップデートを確認し、新機能や改善点を活用してください。また、ファームウェアは、ほとんどの製品にShure Update Utilityを使用してインストールできます。

更新するには:

  1. Designerを開きます。まだダウンロードしていない新しいファームウェアがある場合、Designerには更新可能な数のバナーが表示されます。クリックしてファームウェアをダウンロードします。
  2. [オンラインデバイス]に移動して、自分のデバイスを探します。
  3. [使用可能なファームウェア]欄から、各デバイスのファームウェアバージョンを選択します。アップデート中にデバイス設定を編集している人がいないことを確認してください。
  4. アップデートする予定の各デバイスの横にあるチェックボックスを選択し、[ファームウェアの更新]をクリックします。アップデート中に[ファームウェアの更新]からデバイスが消えることがあります。ファームウェアのアップデート中にDesignerを閉じないでください。

ファームウェアバージョン

ファームウェアをアップデートする際、すべてのハードウェアを同じファームウェアバージョンにアップデートして、一定した動作が得られるようにします。

すべてのデバイスのファームウェアは、MAJOR. MINOR. PATCH (例 1.2.14)の形式です。ネットワーク上のすべてのデバイスのファームウェアは、少なくともバージョン番号の「メジャー」と「マイナー」の部分が同じである必要があります(例 1.2.x)。

ファームウェア3.xとファームウェア4.xの違い

MXA910をファームウェア3.xからファームウェア4.xに更新すると、MXA用に最適化されたIntelliMix DSP機能を使用することができます。

ファームウェア4.xの変更点は以下のとおりです。

IntelliMix DSPを追加

  • これで、AGC、AEC、ノイズリデューサー、コンプレッサー、遅延を使用できます。
    • これらのDSP機能は個々のチャンネル出力には影響しません。オートミックス出力チャンネルにのみ適用されます
  • 現在デバイス3.xでオートミックス出力チャンネルを使用している場合、4.xに更新すると、次の設定が自動的に適用されます。
    • AGC:有効
    • AEC:有効
    • ノイズリデューサー:有効
    • コンプレッサー:無効
    • 遅延:無効

新しいオートミキサーを追加

  • オートミキサー4.xは、オートミキサー3.xとは異なるミックスモードを搭載しています。
  • ミックスモード設定の変更方法です。
    オートミキサー3.xの設定 新しいオートミキサー4.xの設定
    クラシック ゲーティング
    スムーズ ゲインシェアリング
    マニュアル マニュアル
    カスタム ゲーティング

すべてのローブに新しいAutofocus機能を追加

  • 特許出願中のAutofocus™テクノロジーは、各ローブの位置をリアルタイムで継続的に微調整します。
  • 参加者が椅子に深くもたれかかったり立ち上がったりしても、ローブが自動的に移動して一貫したサウンドを実現します。

エコーリダクションの削除

  • これでマイクロホンにAECが搭載されるため、エコーリダクションを行う必要がなくなります。
  • Dante ControllerのエコーリダクションReference Inチャンネルの名前が「AEC Reference In」チャンネルになりました。このチャンネルへの既存のDanteルートは保持されます。

その他の変更点

  • テンプレート1のローブ位置が変更されました。
    • デフォルトのローブ位置でテンプレート1を使用している場合、4.xに更新すると、ローブ位置が変更されます。
  • 更新後、すべてのカスタムローブの位置とDanteルートは変更されません。

使用例

Shure会議デバイスの概要

Shureは、会議のために幅広い接続オプションを提供します。MXAマイクロホン、オーディオプロセッサー、ネットワークインターフェースはすべてDanteを使用し、標準ITネットワーク経由で音声を送信します。Shureの無料Designerソフトウェアを使用して、ほとんどのShureデバイスをコントロールし、その間で音声をルーティングできます。

デバイス 目的 物理的接続 Dante I/O
MXA910
IntelliMix DSPを備えたシーリングアレイマイクロホン
  • PoEポート1つ
  • 8つの個別チャンネル出力またはIntelliMix DSPを備えた1つのオートミックスチャンネル出力
  • AECリファレンス入力1つ
MXA710
IntelliMix DSPを備えたリニアアレイマイクロホン
  • PoEポート1つ
2フィート:
  • 4つの個別チャンネル出力またはIntelliMix DSPを備えた1つのオートミックスチャンネル出力
  • AECリファレンス入力1つ
4フィート:
  • 8つの個別チャンネル出力またはIntelliMix DSPを備えた1つのオートミックスチャンネル出力
  • AECリファレンス入力1つ
MXA310
テーブルアレイマイクロホン
  • PoEポート1つ
  • 個別チャンネル出力4つまたはオートミックスチャンネル出力1つ
P300
IntelliMix DSPとマトリクスミキサーを備えたオーディオプロセッサー
  • USB入力/出力1つ
  • アナログブロック入力2つ
  • アナログブロック出力2つ
  • モバイルTRRSポート(3.5 mm)1つ
  • PoE+ポート1つ
  • IntelliMix DSPを備えたDante入力8つ
  • 補助Dante入力2つ
  • Dante出力8つ
IntelliMix Room
IntelliMix DSPとマトリクスミキサーを備えた音声処理ソフトウェア デバイスによって異なる
  • IntelliMix DSPを備えたDante入力8つまたは16
  • 補助Dante入力8つ
  • Dante出力8つ
  • 仮想オーディオ入出力1つ
  • PC入出力1つ
ANIUSB-MATRIX
USBとアナログ入力/出力を備えたマトリクスミキサー
  • USB入力/出力1つ
  • アナログブロック入力1つ
  • アナログブロック出力1つ
  • PoEポート1つ
  • ダンテ入力4つ
  • Dante出力2つ
ANI4IN(ブロックまたはXLRコネクター)
アナログ信号をDante信号に変換します
  • アナログ入力4つ
  • PoEポート1つ
  • ダンテ入力4つ
ANI4OUT(ブロックまたはXLRコネクター)
Dante信号をアナログ信号に変換します
  • アナログ出力4つ
  • PoEポート1つ
  • Dante出力4つ
ANI22(ブロックまたはXLRコネクター)
  • アナログ信号2つをDante信号に変換します
  • Dante信号2つをアナログ信号に変換します
  • アナログ入力2つ
  • アナログ出力2つ
  • PoEポート1つ
  • ダンテ入力2つ
  • Dante出力2つ
MXN5-C
PoEにより電力供給されるネットワークシーリングラウドスピーカー
  • PoEポート1つ
  • ダンテ入力2つ
  • Dante出力1つ
MXAネットワークミュートボタン
Shureデバイス用のPoEにより電力供給されるネットワークミュートボタン
  • PoEポート1つ
  • 基部用の電源ケーブルコネクター1つ
n/a

MXA910機器の組み合わせ

MXA910とANI22 MXA910とANIUSB MXA910とP300
部屋の大きさ 小または中 小または中 中または大
モバイルI/O いいえ いいえ 対応。
アナログI/O 2x2 1x1 2x2
USB I/O いいえ 対応。 対応。
電源 PoE PoE PoE+
ロジックコントロール いいえ いいえ 対応。
ソフトコーデックのミュート同期 いいえ 対応。 P300ファームウェア3.1.5以降では可能です
複数のMXA910に対応 いいえ いいえ 対応。
追加のアナログマイクに対応 いいえ いいえ 対応。

アナログ入力を増やすには、ANI4INを使用してアナログ信号をDante信号に変換します。アナログ出力を増やすには、ANI4OUTを使用してDante信号をアナログ信号に変換します。

使用事例:ANIUSBまたはP300を備えたソフトコーデック

2 use case illustrations for MXA910s and a soft codec: 1) With ANIUSB-MATRIX, laptop, and loudspeakers. 2) With P300, NUC, loudspeakers, and mobile device.

ソフトコーデックの簡単な解決策には、ANIUSB-MATRIXまたはP300を備えたシーリングアレイを使用してください。

  • 会議ソフトウェアを実行しているコンピューターは、USBケーブルでANIUSB-MATRIXまたはP300に接続します
  • シーリングアレイは、アコースティックエコーキャンセル機能およびDSP(ファームウェア>4.x込み)を提供します
  • ANIUSB-MATRIXまたはP300のマトリクスミキサーは、接続されたデバイスに信号をルーティングします
  • P300は、ファームウェア>3.1.5のUSB接続用ソフトコーデックのミュート同期を搭載しています

機器一覧:

  • MXA910(AECにはファームウェア>4.xが必要)
  • ANIUSB-MATRIXまたはP300
  • 会議ソフトウェアを搭載したコンピューター
  • パワーオーバーイーサネット(PoE)を供給するネットワークスイッチ
  • ネットワークのコンピューター:
    • Shure Designerソフトウェアまたは
    • デバイスWebアプリケーション
  • Cat5e(またはそれ以上)のイーサネットケーブル
  • USBケーブル
  • P300ソフトコーデックのミュート同期用コントロールパネル
  • その他のスピーカー、アンプ、またはディスプレイ

使用事例:ANI 22とハードコーデック

MXA910 use case illustration for hard codecs. Room with MXA910, hard codec, ANI22, display, and camera.

  • ハードコーデックは、会議室とファーエンドの通話者を繋ぎます
  • シーリングアレイは、アコースティックエコーキャンセル機能およびDSP(ファームウェア>4.x込み)を提供します
  • ANI22はアナログコンポーネントとデジタルコンポーネントを接続します
    • 2ライン/マイク入力でアナログ信号をデジタル信号に変換します
    • 2出力でデジタル信号をアナログ信号に変換します

機器一覧:

  • MXA910(AECにはファームウェア>4.xが必要)
  • ANI22(ブロックまたはXLRコネクターバージョンを利用できます)
  • ハードコーデック
  • 表示
  • パワーオーバーイーサネット(PoE)を供給するネットワークスイッチ
  • ネットワークのコンピューター:
    • Shure Designerソフトウェアまたは
    • デバイスWebアプリケーション
  • Cat5e(またはそれ以上)のイーサネットケーブル
  • コンポーネントをANI22に接続するためのアナログブロックまたはXLRケーブル
  • その他のスピーカーまたはアンプ

使用事例:2つのMXA910とP300を備えた中部屋または大部屋

大規模なインストールでは、分散型DSPアプローチに複数のMXA910とP300を使用して、簡単にインストールできます。最良の結果を得るには、MXA910を最大3台まで使用してください。

  • シーリングアレイは、DSP(ファームウェア>4.x)を処理します
  • P300は、モバイル機器、USB、アナログブロック入力/出力用マトリクスミキサーと接続オプションを提供します
  • Designerは、マイクロホンとP300をコントロールします

機器一覧:

  • 2つのMXA910(AECにはファームウェア>4.xが必要)
  • P300
  • パワーオーバーイーサネットプラス(PoE+)を供給するネットワークスイッチ
  • ネットワークのコンピューター:
    • Shure Designerソフトウェアまたは
    • デバイスWebアプリケーション
  • Cat5e(またはそれ以上)のイーサネットケーブル
  • その他のスピーカー、モバイルデバイス、コーデック、またはディスプレイ

オートミックス

オートミックスチャンネル

このチャンネルは全ての選択されたチャンネルからのオーディオをミックスして便利な一つの出力を提供します。オートミックスチャンネル設定を調整するには IntelliMix タブを選択してください。全ての IntelliMix DSPブロックはオートミックスチャンネルに適用出来ます。

オートミックスチャンネルを使うには次を行ってください:

  1. Mixへ送るは全てのチャンネルに対して選択されます(青色)。特定なチャンネルをオートミックスチャンネルから除外して独立した直接出力として扱うにはMixへ送るの選択を解除してください(灰色)。
  2. オートミックスチャンネルを Danteコントローラーで希望の出力にルートしてください。

オートミックスモード

ゲーティング

ゲーティングモードでは、高速動作のシームレスなチャンネルゲーティングと一定の周囲音レベルを提供します。オフアッテネーション設定は、アクティブなチャンネルの数に関係なく、すべての非アクティブチャンネルに適用されます。

ゲインシェアリング

ゲイン共有モードはオープンチャンネルとクローズチャンネルの間でシステムのゲインをダイナミックに調整します。システムゲインは、1つのオープンチャンネルと等しくなるよう、チャンネル間でゲインを分配して一定に保たれます。可変ゲインストラクチャは、チャンネル数が多い場合のノイズの低減に有効です。使用されるチャンネルが少ない場合は、オフアッテネーション設定を低くすると、透明度の高いゲーティングが得られます。

マニュアル

マニュアルモードではすべてのアクティブなトラックを足し合わせ、サミングされた信号を1つのDante出力に送ります。これにより、オートミックスを有効にすることなく、拡声や録音用の各信号をルーティングするオプションを提供します。標準モニタリングビューのフェーダー設定がサミング出力に適用されます。

オートミックスの設定

ラストマイクをオンのままにする

最後に使用されたマイクロホンのチャンネルをアクティブのままにします。この機能は、信号に自然な部屋の音を維持することで、音声信号が途切れていないことをファーエンドの参加者が知ることができます。

ゲート感度

ゲートが開くスレッショルドレベルを変更します。

オフアッテネーション

チャンネルがアクティブでない時の信号の減衰レベルを設定します。

ホールド時間

レベルがゲートスレッショルドを下回った後で、チャンネルが開いたままとなる時間を設定します。

最大オープンチャンネル数

同時にアクティブになる最大チャンネル数を設定します。

優先度

選択した場合は、最大オープンチャンネル数に関係なく、このチャンネルのゲートがアクティブになります。

常にオン

これを選択すると、このチャンネルは常にアクティブになります。

Send to Mix

これが選択された場合は、チャンネルをオートミックスチャンネルに送ります。

ソロ

その他のチャンネルを全てミュートします。

オートミックスゲインメーター

これが有効になっている場合はゲインメータをリアルタイムでのオートミックスゲーティングを表示するように変更します。ゲートを開くチャンネルはゲートが閉じた(減衰された)チャンネルよりミックスでの高いゲインを表示します。

オートミックスモード(ファームウェア<4.xのみ)

クラシック

クラシックモードはShure SCM820オートミキサーを再現します(デフォルト設定)。高速動作、シームレスチャンネルゲーティング、一定の周囲音レベルのオートミキサーとして知られています。このモードでのオフアッテネーションは、オープンチャンネルの数にかかわらず、各チャンネル-20 dBに固定されています。

スムーズ

スムーズモードでは、オープンチャンネルの数に応じて各チャンネルのオフアッテネーション設定が変わります。可変ゲインストラクチャは、チャンネル数が多い場合のノイズの低減に有効です。使用されるチャンネルが少ない場合は、オフアッテネーションを低くすることにより、透明度の高いゲーティングが得られます。

動作チャンネルの数 オフアッテネーション(dB)
2 -5
3 -8
4 -10
5 -12
6 -13
7 -14
8 -15

カスタム

カスタムモードでは、すべてのオートミックスパラメーターをコントロールできます。このモードは、特定のアプリケーションに合わせるために、プリセットモードのいずれかを調整する必要がある場合に役に立ちます。スムーズモードまたはクラシックモードでパラメーターを変更すると、自動的にカスタムモードとなります。

手動

マニュアルモードではすべてのアクティブなトラックを足し合わせ、サミングされた信号を1つのDante出力に送ります。これにより、オートミックスを有効にすることなく、拡声や録音用の信号をルーティングするオプションを提供します。標準モニタリングビューのフェーダー設定がサミング出力に適用されます。

IntelliMix DSP

このデバイスはオートミックスチャンネル出力に適用できる IntelliMixデジタル信号処理ブロックを含んでいます。DSPブロックには以下が含まれます。

  • アコースティックエコーキャンセル機能(AEC)
  • 自動ゲインコントロール(AGC)
  • ノイズ低減
  • コンプレッサ
  • 遅延

DSPブロックにアクセスするには IntelliMix タブを選択します。選択されたDSPブロックは色で表示されます。

IntelliMixをバイパスする を選択すると次のDSPブロックはバイパスされます:AEC、AGC、ノイズ低減、コンプレッサ、及び遅延。

DSPベストプラクティス

  • DSPブロックを必要がある時飲み有効にしてください。DSP無しでご自分のシステムをテストしてから、聴いているオーディオ信号に何か問題がある時それを解決するために必要な処理を追加してください。
  • ビデオはオーディオより遅れていない限り遅延をオフにしてください。
  • オートミキサーはチャンネルのゲートをオン又はオフにすることにDSPブロックは影響を持たない。

アコースティックエコーキャンセラー(AEC)

電話会議では、ニアエンドのマイクロホンがスピーカーからの音声を捉えてしまい、ファーエンドの発言者に自分の声がエコーのように聴こえることがあります。アコースティックエコーキャンセル機能(AEC)はDSPアルゴリズムでファーエンドの信号を識別してそれをマイクロホンがキャプチャーすることを止めて明瞭で途切れの無い音声を出力します。会議通話の場合はファーエンドのオーディオが存在する限り作動し処理を最適化します。

出来る場合は、次のヒントを使ってアコスティック環境を最適化してください。

  • スピーカーのボリュームを下げてください。
  • スピーカーをマイクロホンから遠くに配置してください。
  • スピーカーをマイクロホンのカバー範囲に直接向けるのは避けてください

AECのリファレンス信号を選択する

AECを適用するには、ファーエンドのリファレンス信号を用意します。最良の結果を出すには、局所的な補強システムにも供給する信号を使用します。

P300:配線図]に進み、任意のAECブロックをクリックします。リファレンスソースを選択すると、すべてのAECブロックのリファレンスソースが変更されます。

MXA910、MXA920、MXA710:ファーエンド信号をAEC Reference Inチャンネルにルーティングします。

IntelliMix Room配線図]に進み、AECブロックをクリックします。リファレンスソースを選択します。各ブロックは異なるリファレンスソースを使用できるため、各AECブロックに対してリファレンスを設定します。

Designerの最適化ワークフローではAECリファレンスソースが自動的にルーティングされますが、使用するリファレンスソースがDesignerにより選択されていることを確認することをお勧めします。

AEC設定

リファレンスメーター

リファレンスメーターを使用すると、リファレンス信号が存在することを視覚的に確認できます。リファレンス信号はクリッピングしないでください。

ERLE

ERLE(Echo Return Loss Enhancement)では信号低減のdBレベル(エコーが排除される量)が表示されます。リファレンスソースを適正に接続すると、ERLEメーターの挙動は通常、リファレンスメーターに一致します。

リファレンス

どのチャンネルがファーエンドのリファレンス信号となっているかを示します。

非線形処理

アコースティックエコーキャンセル機能の主要なコンポーネントは適合フィルタです。非線形処理が適合フィルタを補足して、音響の異常や環境の変化によって生じた残存エコーを取り除きます。部屋で効果的な可能な限り最低の設定を使用してください。

ロー:音響がコントロールされ、エコーが最低限に抑えられている部屋で使用します。この設定は、全二重に対して最も自然なサウンドを提供します。

ミディアム:起点として典型的な部屋で使用します。エコーのアーチファクトが現れたら、「高」の設定を使用してみてください。

高:音響の悪い部屋、またはエコーの経路が頻繁に変わる状況で最大限のエコー低減を実現するために使用します。

ノイズ低減

ノイズ低減は、プロジェクターや空調システム、その他の環境要因によって生じた信号のバックグラウンドノイズの量を大幅に低減します。部屋のノイズフロアを計算し、最大限の透明度でスペクトラム全体を通してノイズを低減するダイナミックなプロセッサーです。

設定

ノイズ低減の設定(低、中、高)は、dBでの低減量を示します。室内のノイズを効果的に下げられる、可能な限り最低の設定を使用してください。

オートマチックゲインコントロール(AGC)

自動ゲインコントロールは、あらゆるシナリオで話者全員の音量を一貫させるためにチャンネルレベルを調整します。より静かな音声の場合はゲインが増え、大きな音声では信号を弱めます。

話者とマイクロホンの間の距離が変動するチャンネルや多くの異なる人々が会議システムを使用している部屋ではAGCを有効にしてください。

自動ゲイン制御はゲート後に(オートミキサーの後に)行われ、オートミキサーはゲートをオン又はオフにすることに影響をもたない。

ターゲットレベル(dBFS

十分なヘッドルームを確保するため、最初は-37 dBFSを使用し、必要に応じて調整してください。これはRMS(平均)レベルを示し、クリッピングを避けるため、ピークレベルに従って入力フェーダーを設定する場合とは異なります。

最大ブースト(dB

適用可能な最大限のゲインを設定します

最大カット(dB

適用可能な最大限の減衰を設定します

ヒント:ブースト/カットメーターを使用し、信号から増減されたゲインの量を監視してください。このメーターが常に最大ブーストまたはカットレベルに達している場合は、信号がターゲットレベルに近くなるよう入力フェーダーを調整することを検討してください。

遅延

オーディオとビデオ間の同期を得るために遅延を使ってください。ビデオシステムでレイテンシーが挿入されたら(人の話が聞こえた後にその人の口が動きます)、オーディオとビデオを同期するための遅延を追加してください。

遅延はミリ秒で測定されます。音声とビデオの間に著しい差がある場合は、まず、より長い遅延間隔(500~1,000 ms)を使用してください。完全な同期に近づいたら、間隔を短くして微調整してください。

コンプレッサー

コンプレッサーを使用すると、選択された信号のダイナミックレンジをコントロールできます。

スレッショルド

音声信号がスレッショルド値を超えると、出力信号の望ましくないスパイクを防ぐためにレベルが減衰されます。減衰の量は比率の値によって決まります。サウンドチェックを行い、平均的な発言者のレベルを3~6 dB超えるスレッショルドを設定し、コンプレッサーのみが予期しない大きな音を低減するようにします。

レシオ

レシオはスレッショルド値を超えた場合に信号を減衰する量をコントロールします。比率が高ければ、減衰が強くなります。2:1という低い比率は、2 dBごとに信号がスレッショルドを超えていることを意味します。出力信号のスレッショルド超過は1 dBのみです。比率が10:1と高くなれば、スレッショルドを10 dB超過する大きな音はスレッショルドを1 dBのみ超え、信号を効果的に9 dB低減できます。

Encryption(暗号化)

音声は、アメリカ国立標準技術研究所(NIST)の公表文献FIPS-197の規定に従い、Advanced Encryption Standard(AES-256)を使用して暗号化されています。暗号化をサポートするShureデバイスでは、接続のためにパスフレーズを入力する必要があります。サードパーティデバイスでは暗号化がサポートされていません。

Designerでは、部屋内のすべてのデバイスに対する暗号化はライブモードで次を選択した場合にのみ有効にできます。[部屋] > [設定] > [音声暗号化]

ウェブアプリケーションで暗号を有効化するには:

  1. [設定] > [音声暗号化] > [暗号化を有効にする]に移動します。
  2. パスフレーズを入力します。すべてのデバイスは同じパスフレーズを使って暗号化された接続を確立する必要があります。

重要:暗号化を有効にするには:

  • ネットワーク上のShureデバイスはすべて、暗号化を使用する必要があります。
  • DanteコントローラーでAES67を無効にします。AES67とAES-256は同時に使用できません。

AES67

AES67はさまざまなIP音声技術を使用するハードウェアコンポーネント間の通信を可能にするネットワーク音声標準です。このShureデバイスはAES67をサポートし、ライブ音声、統合設置およびブロードキャスト用のネットワークシステム内での互換性を向上させます。

次の情報は、AES67信号の送受信に不可欠なものです。

  • Dante Controllerソフトウェアを最新バージョンにアップデートして、AES67の [Configuration] タブが表示されることを確認してください。
  • 暗号化の有効/無効を切り替える前に、Dante ControllerからAES67を無効にする必要があります。
  • 送信機と受信機が両方ともDanteに対応している場合、AES67は利用できません。
    Shure製デバイスの対応状況: デバイス2の対応状況: AES67の対応状況
    DanteとAES67 DanteとAES67 Dante以外には未対応。
    DanteとAES67 Danteを使用しないAES67。他のオーディオネットワーキングプロトコルは使用できます。 対応。

個別のDanteとAES67フローは同時に操作できます。フローの総数は、デバイスのフロー上限によって決定されます。

Shureデバイスからの音声送信

すべてのAES67設定は、Dante Controllerソフトウェアで管理されます。詳細については、『Dante Controllerユーザーガイド』を参照してください。

  1. Dante ControllerでShure送信機を開きます。
  2. AES67を有効にします。
  3. Shureデバイスを再起動します。
  4. Dante Controllerユーザーガイド』の指示に従って、AES67フローを作成します。

異なる音声ネットワークプロトコルを使ってデバイスから音声を受信する

サードパーティ製デバイスの場合:ハードウェアがSAPに対応している場合、デバイスが使用しているルーティングソフトウェアでフローが識別されます。SAPに未対応の場合、AES67フローを受け取るには、AES67セッションのIDとIPアドレスが必要となります。

Shureデバイスの場合:送信デバイスがSAPに対応している必要があります。Dante Controllerで、送信機(IPアドレスで表示される)は、他のDanteデバイスと同様にルーティングできます。

ネットワーキングおよびDante

デジタルオーディオネットワーク

Danteデジタルオーディオは、標準イーサネットで伝送され、標準インターネットプロトコルで動作します。Danteは低レイテンシー、タイトクロック同期、QoSを備え、各種Danteデバイスに信頼性の高い音声トランスポートを行います。Danteオーディオは、ITやコントロールデータと同じネットワークに安全に共存することができ、あるいは専用ネットワークを使用するように構成することもできます。

Dante Domain Managerとの互換性

このデバイスは、Dante Domain Managerソフトウェア(DDM)と互換性があります。DDMは、DanteネットワークおよびDante対応製品のユーザー認証、役割ベースのセキュリティ、および監査機能を有効にするネットワーク管理ソフトウェアです。

DDMによって制御されるShureデバイスの考慮事項:

  • ShureデバイスをDanteドメインに追加する場合は、ローカルコントローラーのアクセス設定を読み取り/書き込みに設定します。設定しない場合、Dante設定にアクセスしたり、工場出荷時設定へのリセットを実行したり、デバイスのファームウェアを更新したりできなくなります。
  • デバイスとDDMが何らかの理由によりネットワーク経由で通信できない場合は、Dante設定の制御、工場出荷時設定へのリセットの実行、またはデバイスファームウェアの更新を行うことができなくなります。接続が再確立されると、デバイスはDanteドメインで設定されたポリシーに従います。
  • Danteデバイスロックがオンの場合、DDMがオフラインの場合、またはデバイスの設定が[防止]に設定されている場合、一部のデバイス設定は無効になります。これには次が含まれます。Dante暗号化、MXW関連付け、AD4 DanteブラウズとDanteキュー、およびSCM820リンク。

詳細については、Dante Domain Managerドキュメントを参照してください。

Shureデバイス用Danteフロー

Danteフローは、あるDanteデバイスから別のDanteデバイスに音声をルーティングするたびに作成されます。1つのDanteフローには、最大4つの音声チャンネルを含めることができます。例えば、使用可能な5つのチャンネルすべてをMXA310から別のデバイスに送信すると、1つのフローに最大4つのチャンネルを含めることができるため、2つのDanteフローが使用されます。

各Danteデバイスには、特定の数の送信フローと受信フローがあります。フローの数は、Danteプラットフォームの機能によって決まります。

ユニキャストおよびマルチキャスト伝送設定は、デバイスが送受信できるDanteフローの数にも影響します。マルチキャスト伝送を使用すると、ユニキャストフローの制限を解決するのに役立ちます。

Shureデバイスは、異なるDanteプラットフォームを使用しています。

Danteプラットフォーム プラットフォームを使用したShureデバイス ユニキャスト送信フロー制限 ユニキャスト受信フロー制限
Brooklyn II ULX-D、SCM820、MXWAPT、MXWANI、P300、MXCWAPT 32 32
Brooklyn II(SRAMなし) MXA920、MXA910、MXA710、AD4 16 16
Ultimo/UltimoX MXA310、ANI4IN、ANI4OUT、ANIUSB-MATRIX、ANI22、MXN5-C 2 2
DAL IntelliMix Room 16 16

Danteフローの詳細については、よくある質問Audinateからご覧ください。

QoS (Quality of Service) 設定

QoS設定によりネットワーク上の特定のデータパケットを優先させることで、負荷の大きい大規模ネットワークにおいて信頼性の高い音声配信を確保します。この機能は、多くのマネージドネットワークスイッチに備わっています。必須ではありませんが、QoS設定をすることをお勧めします。

注:サービスの中断を避けるため、変更はネットワーク管理者に依頼してください。

QoS値を割り当てるには、スイッチインタフェースを開き、次の表を使用してDante®に関連付けられているキュー値を割り当てます。

  • タイムクリティカルなPTPイベント用に可能な限り高い値(例として4として表示)を割り当てます。
  • 残りのパケットに低優先度の値を使用します。
Dante QoS優先度値
優先度 用途 DSCPラベル 16進数 10進数 2進数
高 (4) タイムクリティカルPTPイベント CS7 0x38 56 111000
中 (3) オーディオ、PTP EF 0x2E 46 101110
低 (2) (予約済み) CS1 0x08 8 001000
なし (1) その他のトラフィック BestEffort 0x00 0 000000

注:スイッチの管理はメーカーやスイッチタイプによって異なることがあります。個々の設定の詳細については、メーカーの製品ガイドを参照してください。

Danteの要件およびネットワークについては、www.audinate.comを参照してください。

ネットワーク用語集

PTP(高精度時間プロトコル):ネットワーク上のクロックを同期するために使用されます

DSCP(DSコードポイント):レイヤー3のQoS優先度付けに使用される標準の識別方法です

Danteネットワーキングのスイッチとケーブルに関する推奨事項

スイッチとケーブルによって音声ネットワークのパフォーマンスが決まります。高品質のスイッチとケーブルを使用して、音声ネットワークの信頼性を高めます。

ネットワークスイッチには次のものが必要です。

  • ギガビットポート。10/100スイッチは小規模ネットワークでは動作しますが、ギガビットスイッチの方が高い性能を発揮します。
  • 電源を必要とするすべてのデバイスに対する、パワーオーバーイーサネット(PoE)またはPoE+ポート
  • ポート速度、エラーカウンター、および使用帯域幅に関する情報を提供する管理機能
  • エネルギーエフィシエントイーサネット(EEE)をオフにする機能。(「グリーンイーサネット」とも呼ばれる)EEEは、音声ドロップアウトやクロック同期に問題を引き起こす可能性があります。
  • 厳密な優先順位と4つのキューを持つDiffserv(DSCP)サービス品質(QoS)

イーサネットケーブルは次のようになります。

  • Cat5e以上
  • シールド

詳細については、回避するスイッチに関するFAQを参照してください

ネットワークの最善な構築例

信頼性の高い通信を確立するために、ネットワーク設定時は以下の構築例を参照してください:

  • 各コンポーネントをネットワークスイッチまたはルーターに直接接続し、常に「スター」ネットワークトポロジーを用います。
  • すべてのShureネットワークデバイスを同じネットワークに接続し、同じサブネットに設定します。これは、デバイスのウェブアプリケーションを開くためにも必要です。
  • 別のネットワーク上のデバイス間で音声をやり取りするには、オーディオプロセッサーまたは会議ソフトウェアが必要です。ネットワークのセットアップ情報と構成の例については、システムプランニングおよび機器要件の項目を参照してください。
  • ネットワークごとにDHCPサーバーを1台だけ使用します。それ以外のDHCPサーバー機能は無効にします。
  • MXAを起動する前に、スイッチとDHCPサーバーの電源をオンにします。
  • ネットワークを拡張するには、スタートポロジーで複数のイーサネットスイッチを使用します。
  • すべてのデバイスのファームウェアは、同じバージョンレベルでなければなりません。

デバイスIP構成

このShureデバイスは2つのIPアドレスを使用します。1つがShureコントロールに、もう1つがDanteオーディオおよびコントロールに必要となります。

  • Shureコントロール
    • Shureコントロールソフトウェア、ファームウェアのアップデート、およびサードパーティのコントロールシステム(AMX、Crestron)のデータをやり取りします。
  • Danteオーディオおよびコントロール
    • DanteデジタルオーディオとDanteコントローラーのコントロールデータの両方をやり取りします
    • 動作には、有線方式のギガビットイーサネット接続が必要です

Designerでこれらの設定にアクセスするには、[デバイス] > [設定] > [IP構成]に移動します。

デバイスのIP設定

IP設定

選択したネットワークインターフェースのIPモードを設定します:

  • 自動(DHCP):IPアドレスを自動的に割り当てます。
  • 手動(静的):静的IPアドレス用。

IP設定

各ネットワークインターフェースのIPアドレス、サブネットマスク、ゲートウェイを表示し編集します。

MACアドレス

ネットワークインターフェースの固有の識別番号。

IP設定の構成

IP設定はShure Designerソフトウェアで管理します。初期設定では、自動(DHCP)モードに設定されています。DHCPモードでは、デバイスはDHCPサーバーからIP設定を受け取り、またはDHCPがない場合には自動的にリンクローカル設定へフォールバックします。また、IPアドレスは手動で設定することもできます。

IPプロパティを設定するには、以下のステップに従ってください。

  1. デバイスの設定ウィンドウを開きます。
  2. 設定タブに移動し、ネットワークを選択します。
  3. オート (自動)またはマニュアル (手動)を選択します。オート (自動)を使用した場合、アドレスは自動的に割り当てられます。マニュアル (手動)セットアップについては、手動設定に関する説明に従ってください。

静的 IP アドレスを手動で割り当てる

IPアドレスを手動で割り当てるには、次の手順に従います。

  1. Designerでデバイスの設定ウィンドウを開きます。
  2. 設定タブに移動し、ネットワークを選択します。
  3. マニュアル (手動)としてIP設定を選択します。
  4. IP設定を入力します。

レイテンシーを設定する

レイテンシーとは、デバイスの出力へとシステム内を移動する信号が要する時間量です。デバイスとチャンネル間のレイテンシー時間の変化に対応するため、Danteにはレイテンシー設定が選択できるようになっています。同じ設定を選択した場合、ネットワーク上のすべてのDanteデバイスは確実に同期できます。

これらのレイテンシー値を出発点として使用してください。設定で使用する正確なレイテンシーを決定するには、設定を割り当て、Danteオーディオをデバイス間で送信し、AudinateのDanteコントローラーソフトウェアを使用してシステムの実際のレイテンシーを測定します。続いて、利用できる最も近いレイテンシー設定に端数を切り上げて、それを使用します。

レイテンシーの設定を変更するには、AudinateのDanteコントローラーソフトウェアを使用します。

レイテンシーの推奨

レイテンシーの設定 スイッチの最大数
0.25 ms 3
0.5 ms(初期設定) 5
1 ms 10
2 ms 10+

パケットブリッジ

パケットブリッジを使用すると、外部のコントローラーがShureデバイスのコントロールインターフェイスからIP情報を取得できます。パケットブリッジにアクセスするには、ShureデバイスのDanteインターフェイスで、外部コントローラーがクエリーパケットをunicast UDP*からport 2203に送信する必要があります。

  1. 最小1ペイロードでUDPパケットを送信します。

    注:最大許容ペイロードは140バイトです。どのようなコンテンツでも許可されます。

  2. Shureデバイスは、クエリーパケットの送信元ポートと同じ送信先UDPポートを使って、ユニキャストUDP上でコントローラーに応答パケットを送信します。応答パケットのペイロードは次の形式を取ります:
    バイト コンテンツ
    0~3 IPアドレス(ネットワーク順で32ビット符号なし整数型)
    4~7 サブネットマスク(ネットワーク順で32ビット符号なし整数型)
    8~13 MACアドレス、6バイトのアレイ

    注:通常のネットワーク上では、Shureデバイスは1秒以内に応答します。応答がない場合、送信先IPアドレスとポート番号を確認してからクエリーを再送してください。

*UDP: ユーザー・データグラム・プロトコル

パケットブリッジでは、クロスサブネットコマンド文字列を使用できません。

IP Ports and Protocols

Shure Control

Port TCP/UDP Protocol Description Factory Default
21 TCP FTP Required for firmware updates (otherwise closed) Closed
22 TCP SSH Secure Shell Interface Closed
23 TCP Telnet Not supported Closed
53 UDP DNS Domain Name System Closed
67 UDP DHCP Dynamic Host Configuration Protocol Open
68 UDP DHCP Dynamic Host Configuration Protocol Open
80* TCP HTTP Required to launch embedded web server Open
443 TCP HTTPS Not supported Closed
2202 TCP ASCII Required for 3rd party control strings Open
5353 UDP mDNS Required for device discovery Open
5568 UDP SDT (multicast) Required for inter-device communication Open
57383 UDP SDT (unicast) Required for inter-device communication Open
8023 TCP Telnet Debug console interface Closed
8180 TCP HTML Required for web application (legacy firmware only) Open
8427 UDP SLP (multicast) Required for inter-device communication Open
64000 TCP Telnet Required for Shure firmware update Open

*These ports must be open on the PC or control system to access the device through a firewall.

These protocols require multicast. Ensure multicast has been correctly configured for your network.

See Audinate's website for information about ports and protocols used by Dante audio.

エコーリダクション(ファームウェア<4.xのみ)

電話会議では、マイクロホンがスピーカーからのファーエンドの音声を捉えてしまい、発言者に自分の声がエコーのように聴こえることがあります。

エコー低減機能は、ファーエンドの信号がマイクロホンを作動させるのを防ぎます。エコー低減機能は、チャンネル毎のDSPエコーキャンセレーションを導入する予算が得られない場合に最適で、シングルチャンネルのエコーキャンセラーに対応するコンピューターまたはビデオコーデックに直接接続したとき高い効果が得られます。

動作原理

ファーエンドからのエコーリファレンス信号をDanteコントローラーソフトウェアによりマイクロホンのIntellimix処理アルゴリズムにルーティングします。プロセッサーはこの信号を用いて、マイクロホンがゲートを開きスピーカーからの音声を捉えてしまうことを防ぎます。

Diagram that shows how echo reduction works on MXA910 microphones (firmware <4.x only)

エコー低減の有効化

  1. Dante Controllerソフトウェアを使用し、ファーエンドからの音声信号をMXA910のエコーリダクションReference Inチャンネルにルーティングします。
  2. MXA910ウェブアプリケーションで、構成> オートミックスに入ります。
  3. プルダウンメニューで強度設定を選択し、echo reductionを有効にします。ソフト、ミディアム、そしてハード設定によりファーエンドの減衰が起こり、リファレンスチャンネルにゲインを加えて、確実に適切なゲーティングを行います。注:echo reductionを有効にすると、オフ減衰設定は-56 dBに変更され、ラストマイクロホンをオンのままにする設定は[オフ]に設定されます。

コマンド文字列の使用

このデバイスはネットワークからロジックコマンドを受け取ります。Designerによりコントロールされるパラメーターの多くは、適切なコマンド文字列を使用することでサードパーティ製のコントロールシステムからコントロールできます。

一般的な用例:

  • ミュート
  • LEDの色および動作
  • プリセットの読み込み
  • レベルの調整

コマンド文字列の完全なリストは、次の場所にあります。

トラブルシューティング

問題 解決策
Google Chromeブラウザでソフトウェアの遅延が生じる 問題はブラウザに関連しています。Chromeでハードウェアアクセラレーションオプションをオフにします。
音がこもったり、うつろに響いたりする
  • ローブが目的のエリアに向けられていることを確認します。
  • イコライザーを使用して、1つのチャンネルまたはオートミックスチャンネルでの周波数応答を調整します。適切な使用についてはイコライザーアプリケーションを参照してください。
マイクロホンがデバイス検出に表示されない
  • 確実にデバイスに電源が入っていることを確認します
  • PCと装置が同じネットワークにあり、同じサブネットに設定されていることを確かめます
  • デバイスに接続していない他のネットワークインターフェースをオフにします (WiFiを含む)
  • DHCPサーバーが作動しているかチェックしてください(該当する場合)
  • 必要な場合はデバイスをリセットします
音声が聞こえない、または音量が小さい/音に歪みがある
  • ケーブルを点検します
  • チャンネルがミュートされていないことを確認します
  • チャンネルが適切な方向を向いていることを確認します
  • フェーダーレベルの設定が低すぎないことを確認します
  • オートミキシングを使用している場合は、設定をチェックし、チャンネルのゲーティングが適切にオン/オフされていることを確認します
ライトが点灯しない 照度が無効になっているかどうか、またはライトバー設定がオフになっているかどうかチェックします。
自動配置で正しくない位置が特定される 話者が部屋の隅または壁のすぐ近くにいる場合は、位置特定の精度が音響反射によって干渉を受けることがあります。自動配置をもう一度お試しください。問題が解消されない場合は、手動配置が必要となることがあります。
マイクロホンの電源が入らない
  • ネットワークスイッチはパワーオーバーイーサネット(PoE)を供給する必要があります。そうでない場合は、PoEインジェクターを使用する必要があります
  • ネットワークケーブルと接続を点検します

重要な製品情報

本機器はプロオーディオ用途での使用を目的としています。

注:このデバイスは公共のインターネットネットワークに直接接続されることを意図していません。

環境E2へのEMC適合:業務用および軽産業用。テストは、同梱および推奨のケーブル使用に基づきます。シールド(スクリーン)型以外のケーブルを使用した場合はEMC性能が低下します。

Shure社によって明示的に承認されていない変更または修正を加えると、この機器を操作する 権利が無効になります。

産業のカナダICES-003コンプライアンスレベル:CAN ICES-3 (B)/NMB-3(B)

FCCパート15Bの認証条項により認可。

電池、パッケージ、電子廃棄物については地域のリサイクル方法に従ってください。

ユーザー情報

本機器はテストされFCC規定パート15に従いクラスBデジタル機器に適合しますが、制限があります。本機器は電磁波を発生、使用または放射する場合があります。メーカーの取扱説明書に従って設置して使用しないと、無線およびテレビの受信に妨害を引き起こす可能性があります。

注記:FCC規制では、Shure社によって明示的に承認されていない変更または修正を加えると、この機器を操作する権利が無効になることが規定されています。

これらの制限は、住宅地域において設置する際、有害な電波干渉から機器を適度に保護するためのものです。本機器は電磁波を発生・使用し、放射する場合があります。取扱説明書に従って設置しないと無線通信に電波干渉が起こります。また、設置状況に関わらず妨害を引き起こす可能性もあります。本機器によりラジオやテレビの受信に電波干渉が起こるようであれば(これは、機器の電源を一度切ってから入れるとわかります)、次の手段を1つまたは複数用いて電波干渉を防いでください。

  • 受信アンテナを別の方向に向けるか、別の場所に移す。
  • 機器と受信機の間の距離を広げる。
  • 受信機を接続しているコンセントとは別の回路にあるコンセントに機器を接続する。
  • 販売店または熟練したラジオ/TV技術者に相談する。

本装置はFCC規制第15部に準拠しています。操作は次の2つの条件の対象となります:

  1. 装置は有害な干渉を起こしてはならない。
  2. 装置は、望まない操作を起こす干渉を含め、あらゆる干渉を受け入れなければならない。

CE適合宣言書は以下より入手可能です:www.shure.com/europe/compliance

ヨーロッパ認定代理店:

Shure Europe GmbH

Global Compliance

Jakob-Dieffenbacher-Str.12

75031 Eppingen, Germany

TEL:+49-7262-92 49 0

Eメール:info@shure.de

www.shure.com

本製品は、関連するすべての欧州指令の基本的要件を満たし、CEマークに適合しています。

CE適合宣言書はShure社またはShure社の欧州担当部より入手することができます。問い合わせ先についてはvisit www.shure.comを参照してください

仕様

すべての仕様は狭ローブ幅から測定したものです。すべての幅の値は別に指定がない限りこれらの仕様より± 3 dBの範囲内にあります。

一般

ローブ幅

調節式 狭い 35 度
中程度 45 度
広い 55 度

コネクターの種

RJ45

使用電源

パワーオーバーイーサネット(PoE), クラス0

消費電力

9W, 最大

質量

5.3 kg (11.75 lb)

製品 寸法

MXA910xx 603.8 x 603.8 x 54.69 mm (23.77 x 23.77 x 2.15 インチ) 高さ×幅×奥行き
MXA910xx-60CM 593.8 x 593.8 x 54.69 mm (23.38 x 23.38 x 2.15 インチ) 高さ×幅×奥行き
MXA910W-A 603.8 x 603.8 x 54.69 mm (23.77 x 23.77 x 2.15 インチ) 高さ×幅×奥行き
MXA910W-US 603.8 x 603.8 x 54.69 mm (23.77 x 23.77 x 2.15 インチ) 高さ×幅×奥行き

制御アプリケーション

HTML5ブラウザベース または Shure Designer

プレミアム評価

UL 2043 (エアーハンドリングスペースに最適)

防塵

IEC 60529 IP5X 防塵性

動作温度範囲

−6.7°C (20°F) ~ 40°C (104°F)

保管温度範囲

−29°C (-20°F) ~ 74°C (165°F)

音声

周波数特性

180 ~ 17,000 Hz

AES67 または Danteデジタル出力

チャンネル数 10 合計チャンネル数 ( 8 独立 送信チャンネル, 1 オート ミキシング 送信チャンネル, 1 AEC Reference Inチャンネル)
サンプリングレート 48 kHz
ビット深度 24

感度

@1 kHz

0.75 dBFS/Pa

最大SPL

0 dBFS過負荷と比較

93.25 dB SPL

S/N比

基準 94 dB SPL、1 kHz

83 dB A特性

遅延 (Danteレイテンシーは含まず)

Direct outputs 7 ms
オートミックス出力(IntelliMix処理を含む) 18 ms

自己雑音

11  dB SPL-A

ダイナミックレンジ

82.25dB

組み込み デジタル信号処理

MXA910 ファームウェア4.x以降 オート ミキシング, アコースティックエコーキャンセル機能(AEC), ノイズ低減, 自動ゲインコントロール, コンプレッサー, 遅延, イコライザー (4バンドパラメトリック) , ミュート, ゲイン ( 140dB 範囲)
MXA910 ファームウェア3.x以前 オート ミキシング, エコー低減, イコライザー (4バンドパラメトリック) , ミュート, ゲイン ( 140dB 範囲)

Intelligibility Scale

カーディオイドグースネックマイクロホンと比較して同等の音響性能 (環境によって異なります)

カーディオイド 距離 次により乗算: 1.6

アコースティックエコーキャンセルテール長

最大 250 ms

ネットワーク

ケーブル要件

Cat 5e以上 (シールドケーブル推奨)

指向特性

指向特性は6フィート(1.83 m)の距離から軸上で直接計測されます。

MXA910 polar patterns measured directly on-axis from a distance of 6 feet (1.83 m).

周波数特性

周波数特性は6フィート(1.83 m)の距離から軸上で直接計測されます。

MXA910 frequency response graph measured directly on-axis from a distance of 6 feet (1.83 m).

ローブの感度

ウェブアプリケーション上で、各チャンネルの青色のカバーエリアの端は、感度が-6 dBとなる場所を表します。ローブ感度の表示方法を理解することは、以下の点で役立ちます

  • ローブの追加やローブ幅の変更により、その空間が完全に収音範囲となるようにします。これにより、すべてのエリアで感度が6 dB以内に維持されます。ローブのわずかな重複には問題ありません。
  • オートミックスのパフォーマンスを最大化しノイズを低減するには、適切な間隔と分離を確保します。

1 kHz、軸上で測定

Data for the MXA910's lobe sensitivity at wide, medium, and narrow widths.

付属品

オプション及び交換パーツ

Junction box accessory A910-JB
Hard ceiling mount A910-HCM
MXA910W-60CM frame and grille assembly RPM904
MXA910AL-60CM frame and grille assembly RPM905
MXA910B-60CM frame and grille assembly RPM906
MXA910W-US frame and grille assembly RPM901W-US

付属品

ラバーパッドセット 95A28365
ケーブル固定クリップ 95A29877

カスタマーサポートへのお問い合わせ

必要な情報が見つからなかった場合は、カスタマーサポートまでお問い合わせください