P300を制御するには、Shure Designerソフトウェアを使用して設定を調整し、Shureデバイス間に音声をルーティングします。この基本セットアッププロセスを完了すると、次のことが可能になります。
作業を始める前に、次のものが必要です。
音声をルーティングしてDSPを適用する最も簡単な方法は、Designerの最適化ワークフローを使用することです。最適化により、音声信号のルーティング、DSP設定の適用、ミュート同期の有効化、接続されたデバイスのLEDロジックコントロールの有効化が自動的に行われます。
この例では、MXA910シーリングアレイマイクロホンを接続します。このプロセスは、Designerでネットワーク化されたShureマイクロホンでも同じです。
また、最適化ワークフロー外のDesignerで、またはDanteコントローラーを使用して、手動で音声をルーティングすることもできます。
最後のステップは、P300に接続する他のデバイスによって異なります。接続するデバイスに関係なく、最後のステップは、DSP設定を確認し、マトリクスミキサーで信号をルーティングすることです。
音声をラウドスピーカーに運ぶチャンネルをAECリファレンスとして使用します。部屋にアナログラウドスピーカーシステムや内蔵ディスプレイスピーカーがある場合は、[アナログ - スピーカーへ]は最も一般的なソースです。Danteラウドスピーカーを使用している場合は、Dante出力の1つがリファレンスです。
P300の詳細についてはDesignerのヘルプセクションまたは詳細なユーザーガイド(pubs.shure.com/guide/P300)を参照してください。
P300 IntelliMix音声会議プロセッサーには、音声/ビデオ会議を最適化するためのIntelliMix DSPアルゴリズムが搭載されています。また、8チャンネルのアコースティックエコーキャンセル機能、ノイズ抑制、自動ゲインコントロールにより、高品質のオーディオ体験が実現します。
P300にはDante(入力 x 10/出力 x 8)、アナログ(ブロック入力 x 2/ブロック出力 x 2)、USB(入力 x 1/出力 x 1)、モバイル(3.5 mm)接続オプションを備えているため、室内システムへの接続やラップトップPC/モバイルデバイスとの共同作業をこれまでになく簡単に実施できます。
リアパネル
フロントパネル
① モバイル入力
TRRSモバイル入力はモバイルデバイスに接続します。TRRSケーブルによる双指向性オーディオに対応しているほか、TRSケーブルを介してP300に音声を送信します。
注:追加の情報については、ケーブル要件を参照してください。
ピンの割当:
チップ | 音声入力 (左) |
リング 1 | 音声入力 (右 ) |
リング 2 | アース |
イヤパッド | 音声出力 (電話機へ) |
注:左右の音声信号はひとつのモノラル信号に統合されます。
② 音声入力(ブロックコネクター)
バランス型音声入力をアナログ音声機器に接続します。アナログ機器の出力レベルに合うようアナログ入力レベルを設定します。
入力感度:
ライン(+4 dBu)
Aux(-10 dBV)
ブロックピンの配置:
![]() |
音声 + |
![]() |
音声 - |
![]() |
音声グランド |
③ シャーシグランドねじ
マイクロホンシールド配線をシャーシアースに接続することができます。
④ 音声出力(ブロックコネクター)
バランス型音声出力をアナログ機器に接続します。アナログ機器の入力感度に合うように出力レベルを設定します(Line、Aux、Micレベルのいずれか)。
![]() |
音声 + |
![]() |
音声 - |
![]() |
音声グランド |
⑤ USBポート
コンピューターに接続して音声信号を送受信します。マトリクスミキサーを使用して、信号パターンをP300から単独モノチャンネルに統合し、USB出力で送信します。
⑥ Danteネットワークポート
ネットワークスイッチに接続し、制御ソフトウェアからDante音声、パワーオーバーイーサネット(PoE)、およびデータを接続します。
⑦ リセットボタン
デバイス設定を工場出荷時設定にリセットします。
⑧ LEDインジケーター
電源:パワーオーバーイーサネット(PoE+)が存在します
注:ネットワークスイッチからPoE+が供給されない場合は、PoE+インジェクターを使用してください。
ネットワーク:イーサネット接続が有効です
ネットワーク音声: ネットワーク上にDanteオーディオが流れています
LEDステータス | 動作 |
---|---|
オフ | 有効な信号なし |
緑色 | デバイスは正常に作動しています |
赤色 | エラーが生じています。詳細はイベントログを参照してください。 |
暗号化:
LEDステータス | 動作 |
---|---|
オフ | 音声は暗号化されていません |
緑色 | 暗号化が有効です |
赤色 | 暗号化エラー。考えられる原因:
|
USB音声
LEDの状態 | ステータス |
---|---|
オフ | USBデバイスが接続されていません |
緑色 | USBデバイスが正常に稼動しています |
赤(点滅) | 接続されているUSB音声デバイスで問題が検出されました |
注:エラーの詳細は、イベントログで確認できます。
⑨ レベルインジケーター(信号/クリップ)
3色のLEDは、アナログチャンネルの音声信号レベルを示しています。クリッピングを回避するには出力レベルを調節します。
LEDの状態 | 音声信号レベル |
---|---|
オフ | -60 dBFS以下 |
緑色 | -59 dBFS~-24 dBFS |
黄 | -23 dBFS~-1 dBFS |
赤色 | 0 dBFS以上 |
注:測定がポストゲインに設定され、チャンネルがミュートになっている場合は、入力LEDおよび出力LEDがオフになります。
このデバイスを稼働するにはPoE+が必要です。デバイスは双方のクラス4 PoE+ソースと互換性があります。
PoE+は次のいずれかの方法により利用できます:
必ずCat5Eケーブル、またはより高品位のケーブルを使用します。
このデバイスの設定をコントロールするには、Shure Designerソフトウェアを使用します。Designerにより、インテグレーターおよびシステムプランナーはMXAマイクロホンやその他のShureネットワークデバイスを使用したインストールのオーディオカバー範囲を設計できます。
Designerでデバイスにアクセスするには:
詳しくはshure.com/designerをご覧ください。
Shure Web Device Discoveryを使用してデバイスの設定にアクセスすることもできます。
KIT, HARDWARE, P300-IMX | 90D33522 |
BRACKET, HALF RACK UNIT | 53A27741 |
USBケーブル | 95A39698 |
リセットボタンは、リアパネルにある小さな穴の奥にあります。ボタンを押すには、ペーパークリップなどを使用します。
2つのハードウェアリセット機能があります:
ネットワークリセット(ボタンを4~8秒間押す)
ShureコントロールおよびオーディオネットワークのIP設定をすべて工場出荷時設定にリセットします。
完全工場出荷時設定リセット(ボタンを8秒以上押す)
ネットワークとDesignerのすべての設定を工場出荷時設定にリセットします。
[デバイスの再起動]( ):電源オン/オフを行うことでデバイスをネットワークから切断したようにふるまいます。デバイスは、すべての設定を保持したまま再起動します。
[工場出荷時設定へ復元](
):ネットワークとDesignerのすべての設定を工場出荷時設定に戻します。これは、デバイスのリセットボタンを使用して完全な工場出荷時リセットを実行するのと同じです。[デフォルトの設定](
):オーディオ設定を工場出荷時設定に戻します(デバイス名、IP設定、パスワードを除く)。Designerの最適化ワークフローにより、少なくとも1つのマイクロホンと1つのオーディオプロセッサーを備えたシステムの接続プロセスを素早く行うことができます。また、最適化により、MXAネットワークミュートボタンがある部屋にミュートコントロールルートも作成されます。部屋で[最適化]を選択すると、Designerは次のことを行います。
デバイスの特定の組み合わせに対して、設定が最適化されます。設定をさらにカスタマイズすることもできますが、最適化ワークフローは出発点として適しています。
部屋を最適化した後は、ニーズに合わせて設定を確認および調整する必要があります。これらのステップには次のようなものがあります:
互換性のあるデバイス:
最適化ワークフローの使用方法:
デバイスを削除または追加した場合は、もう一度[最適化]を選択します。
P300の設置には次の2種類の固定方法が用意されています。
CRT1 19インチラックトレイ(別売りアクセサリー):最大で2台までのデバイスに対応しています(P300 x 2台、またはP300 x 1台とNI4IN、ANI4OUT、ANI22、ANIUSBのいずれか1台の組み合わせ)。ラックまたはテーブル下に取り付けることができます。
1ユニットマウントトレイ(付属アクセサリー):1台のデバイスをテーブル下に取り付けることができます。
マウントハードウェアキットに付属のねじを使用し、P300またはオーディオネットワークインターフェイス(ANI)をそれぞれ固定します。デバイスはどちらの向きにも取り付けることができます。下図の様に、ねじを下側から該当する穴に差し込みます。
1ユニットマウントトレイに1台のデバイスを固定する場合は、図の様に穴位置を合わせます。
19インチラックトレイにデバイスを2台まで固定する場合は、図の様に穴位置を合わせます。
ラックイヤーの向きを変えることで、機器ラックまたはテーブル下への取付に対応します。
Designer 4.2以降に適用されます。
デバイスをセットアップする前に、Designerを使用してファームウェアのアップデートを確認し、新機能や改善点を活用してください。また、ファームウェアは、ほとんどの製品にShure Update Utilityを使用してインストールできます。
更新するには:
ファームウェアをアップデートする際、すべてのハードウェアを同じファームウェアバージョンにアップデートして、一定した動作が得られるようにします。
すべてのデバイスのファームウェアは、MAJOR. MINOR. PATCH (例 1.2.14)の形式です。ネットワーク上のすべてのデバイスのファームウェアは、少なくともバージョン番号の「メジャー」と「マイナー」の部分が同じである必要があります(例 1.2.x)。
6つのDante出力が追加されました
オートミキサーダイレクト出力のタップポイントが追加されました
Dante Domain Managerのサポート
音声暗号化の機能強化
ウェブアプリケーションが削除されました
Shureは、会議のために幅広い接続オプションを提供します。MXAマイクロホン、オーディオプロセッサー、ネットワークインターフェースはすべてDanteを使用し、標準ITネットワーク経由で音声を送信します。Shureの無料Designerソフトウェアを使用して、ほとんどのShureデバイスをコントロールし、その間で音声をルーティングできます。
デバイス | 目的 | 物理的接続 | Dante I/O |
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IntelliMix DSPを備えたシーリングアレイマイクロホン |
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IntelliMix DSPを備えたリニアアレイマイクロホン |
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2フィート:
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テーブルアレイマイクロホン |
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IntelliMix DSPとマトリクスミキサーを備えたオーディオプロセッサー |
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IntelliMix DSPとマトリクスミキサーを備えた音声処理ソフトウェア | デバイスによって異なる |
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USBとアナログ入力/出力を備えたマトリクスミキサー |
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アナログ信号をDante信号に変換します |
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Dante信号をアナログ信号に変換します |
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PoEにより電力供給されるネットワークシーリングラウドスピーカー |
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Shureデバイス用のPoEにより電力供給されるネットワークミュートボタン |
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n/a |
入力 | 出力 |
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オートミックス | USB出力 |
USB入力 | アナログ - スピーカーへまたはDante出力 |
P300またはANIUSB-MATRIXでUSB接続コーデックを使用する場合、ShureデバイスでUSBデバイスタイプを設置する必要がある場合があります。
USBデバイスタイプの設定で、アコースティックエコーキャンセル機能(AEC)が必要かどうかがコーデックスに伝えられます。コーデックは設定に合わせて独自のAEC(サポートされている場合)をオンまたはオフにできます。
たとえば、MXA710をANIUSB-MATRIXにルーティングしていて、MXA710のAECを使用するとします。USBデバイスタイプを[エコーキャンセリングスピーカーフォン]に設定して、AECをオフにすることをコーデックに伝えます。
USBデバイスタイプを変更するには、次のようにします。
ANIUSB-MATRIXのみ:Designerの最適化ワークフローでUSBデバイスタイプが自動的に設定されます。手動で変更することもできます。
USBポートは、ホストコンピューターを、マイクロホンやスピーカーなど部屋全体オーディオシステムを接続します。
P300の初回接続時に、コンピューターはこれをUSBオーディオ装置として認識します。音声信号を送るには、PCのサウンド設定でP300を音声入力/出力(録音/再生)デバイスとして選択する必要があります。接続する度に必ず音声が送られるようにするには、P300をデフォルトのデバイスとして割り当てます。音声設定については、コンピューターのマニュアルを参照してください。
このデバイスは、USB-BからUSB-Cへのアダプターと互換性を持ちます。モバイルデバイスの大部分ではUSBまたはライトニングポート経由の双方向音声をサポートしていないため、アダプターの使用はデスクトップとラップトップコンピューターのみに推奨されます。
入力 | 出力 |
---|---|
オートミックス | アナログ - コーデックへ |
アナログ - コーデックから | アナログ - スピーカーへまたはDante出力 |
この例では、電話を接続すると、内臓マイクとスピーカーが無効になります。電話は通話が可能になるだけです。MXA310マイクはニアエンド音声をキャプチャし、ラウドスピーカーが通話のファーエンド音声から音声を届けます。
入力 | 出力 |
---|---|
オートミックス | モバイル出力 |
モバイル入力 | アナログ - スピーカーへまたはDante出力 |
電話をP300に接続するには、1/8インチのTRRSケーブルが必要です。金属製フランジの付いたケーブルは電話の外部に電気接続して信号を中断する可能性があるため、使用しないでください。
適切に操作できるよう以下のみを使用してください。
注:必要であれば、ステレオ機器をP300に接続するためにTRS(チップ/リング/スリーブ)ケーブルを使用できますが、機器はP300にのみ音声を送ることができます。この場合は、モバイル入力チャンネルの自動ミュートを有効にする機能をオフにする必要があります。
Designer の概略図は、設定とモニター信号を調整する機能とともに、音声信号チェーンの全体の概要を提供します。
入力、出力、または処理ブロックを右クリックして、次のオプションにアクセスします:
チャンネル毎
コピー/ペースト
アイテム間の設定をコピーして貼り付けます。例えば、イコライザーカーブをUSB出力で設定し、同じ設定をアナログ出力でも使用します。または、ゲインとミュートのステータスをひとつの入力チャンネルから複数のチャンネルにコピーします。
ミュート/ミュート解除
チャンネルをミュートまたはアクティブにします
有効/無効
処理をオンまたはオフにします(マトリクスミキサーまたはオートミキサーには適用されません)
編集
パラメーターを調整するダイアログを開きます
グローバル(空白領域を右クリックする)
すべての入力をミュート
すべての入力チャンネルをミュートします
すべての出力をミュート
すべての出力チャンネルをミュートします
すべての入力のミュートを解除
すべての入力チャンネルのミュートを解除します
すべての出力のミュートを解除
すべての出力チャンネルのミュートを解除します
すべてのダイアログを閉じる
ワークスペースから、開いているすべてのダイアログをクリアします
単一画面から一連の入力、出力、および処理ブロックをモニターおよび制御するカスタム環境を作成します。ダイアログを中断するには2つの方法があります。
重要なコントロールに必要な数のダイアログを開きます。
メーターは各入力と出力の下に表示され、信号レベル(dBFS)を示します。
接続が確立されると、入力と出力をマトリクスミキサーに接続するラインは色つきで表示されます。信号がルーティングされていない場合は、ラインがグレー表示されます。これらのツールを使って音声信号をトラブルシューティングし、接続とレベルを検証します。
プリセットを使用すると設定のすばやい保存や呼び出しができます。最大10個のプリセットを各デバイスに保存して、様々な信号処理、部屋のタイプ、使用するマイクを一致させることができます。プリセットには、デバイス名、IP Settings、Passwordsを除くすべてのデバイス設定が保存されます。新しい設置へのプリセットのインポートとエクスポートを行うことにより、時間を節約し、ワークフローを改善することができます。プリセットが選択されている場合、プリセットメニューの上に名前が表示されます。変更が行われると、名前の横にアスタリスク (*) が表示されます。
注:工場出荷時設定に戻すには、デフォルト設定プリセットを使用します(デバイス名、IP Settings、Passwordsを除く)。
次のプリセットメニューを開いて、プリセットオプションを表示します:
プリセットとして保存: | デバイスへの設定を保存します。 |
プリセットをロード: | デバイスから設定を開きます。 |
ファイルからインポート: | コンピュータからプリセットファイルをデバイスにダウンロードします。ファイルは、ブラウザを介して選択するか、インポートウィンドウにドラッグすることができます。 |
ファイルにエクスポート: | デバイスのプリセットをコンピュータに保存します。 |
オートマチックゲインコントロールはあらゆるシナリオで発言者全員の音量を一貫させるためにチャンネルレベルを調整します。より静かな音声の場合はゲインが増え、大きな音声では信号を弱めます。
自動ゲインコントロールはポストフェーダーで、入力レベルの調整後にチャンネルレベルを調整します。発言者とマイクロホンの間の距離が変化するチャンネルや、多くの人が会議システムを使用している部屋で有効にしてください。
ターゲットレベル(dBFS)
ゲインが到達するレベルを表します。このレベルは、クリッピングを避けるためにピークレベルに従って入力フェーダーを調整することとは異なります。起点として次の値をお勧めします。
最大ブースト(dB)
適用可能な最大限のゲインを設定します
最大カット(dB)
適用可能な最大限の減衰を設定します
ヒント:ブースト/カットメーターを使用し、信号から増減されたゲインの量を監視してください。このメーターが常に最大ブーストまたはカットレベルに達している場合は、信号がターゲットレベルに近くなるよう入力フェーダーを調整してください。
電話会議では、ニアエンドのマイクロホンがスピーカーからの音声を捉えてしまい、ファーエンドの発言者に自分の声がエコーのように聴こえることがあります。アコースティックエコーキャンセル機能(AEC)は、エコーを特定して除去し、クリアで途切れない会話を可能にするDSPアルゴリズムです。P300は8つのAECチャンネルを備え、各チャンネルで独立した処理が可能なため、最大限の効果を発揮できます。
最適な結果を得るには、可能な場合は次に従ってアコースティック環境を向上させます。
調整とは、AECがアコースティック環境に基づいて処理を最適化するプロセスです。ファーエンドの音声があり、ニアエンドの発言者が静かな場合にのみ調整されます。AECは常に順応しているため、アコースティック環境が変われば、AECも自動的に調整されます。
アコースティックエコーキャンセル機能の設定を調整するには、概略図または入力タブでAECメニューを開いてください。
リファレンスメーター
リファレンスメーターを使用すると、リファレンス信号が存在することを視覚的に確認できます。
ERLE
Echo Return Loss Enhancementでは信号低減(エコーが排除される量)をdBレベルで表示されます。正しく接続すると、ERLEメーターの挙動は通常、リファレンスメーターに一致します。
参照
音声をラウドスピーカーに運ぶチャンネルをリファレンスとして選択します。[アナログ - スピーカーへ]は、アナログラウドスピーカーシステムを使用する構成や内蔵スピーカー付きディスプレイで最も一般的に使用されているチャンネルです
注:任意のチャンネルでリファレンスを選択すると、同じリファレンスがAECであらゆるチャンネルに適用されます。
非線形処理
アコースティックエコーキャンセル機能の主要なコンポーネントは適合フィルタです。非線形処理が適合フィルタを補足して、音響の異常や環境の変化によって生じた残存エコーを取り除きます。部屋で効果的な可能な限り最低の設定を使用してください。
ロー:音響がコントロールされ、エコーが最低限に抑えられている部屋で使用します。この設定は、最も自然なサウンドを提供します。
ミディアム:起点として典型的な部屋で使用します。エコーのアーチファクトが現れたら、「高」の設定を使用してみてください。
高:音響の悪い部屋、またはエコーの経路が頻繁に変わる状況で最大限のエコー低減を実現するために使用します。
ノイズ低減は、プロジェクターや空調システム、その他の環境要因によって生じた信号のバックグラウンドノイズの量を大幅に低減します。部屋のノイズフロアを計算し、最大限の透明度でスペクトラム全体を通してノイズを低減するダイナミックなプロセッサーです。
ノイズ低減の設定(低、中、高)は、dBでの低減量を示します。室内のノイズを効果的に下げられる、可能な限り最低の設定を使用してください。
コンプレッサーを使用すると、選択された信号のダイナミックレンジをコントロールできます。
スレッショルド
音声信号がスレッショルド値を超えると、出力信号の望ましくないスパイクを防ぐためにレベルが減衰されます。減衰の量は比率の値によって決まります。サウンドチェックを行い、平均的な発言者のレベルを3~6 dB超えるスレッショルドを設定し、コンプレッサーのみが予期しない大きな音を低減するようにします。
レシオ
レシオはスレッショルド値を超えた場合に信号を減衰する量をコントロールします。比率が高ければ、減衰が強くなります。2:1という低い比率は、2 dBごとに信号がスレッショルドを超えていることを意味します。出力信号のスレッショルド超過は1 dBのみです。比率が10:1と高くなれば、スレッショルドを10 dB超過する大きな音はスレッショルドを1 dBのみ越え、信号を効果的に9 dB低減できます。
アナログおよびUSB出力のディレイ機能を使用して、音声とビデオを同期します。ビデオシステムによってレイテンシーがもたらされる場合は(口の動きよりも早く声が聞こえる)、アナログ出力にディレイを追加してビデオに合わせます。ディレイは複数の発言者の到着時間またはフェーズを合わせるために、より大きな部屋で使用することもできます。
ディレイはミリ秒で測定されます。音声とビデオの間に有意な差がある場合は、まず、より長いディレイ間隔(500~1,000 ms)を使用してください。完全な同期に近づいたら、間隔を短くして微調整します。
USB出力チャンネルにはニアエンドのカメラとニアエンドの音声が同期するためのディレイ機能が含まれています。
マトリクスミキサーは、シンプルかつ柔軟なルーティングのため、入力と出力間の音声信号をルーティングします:
クロスポイントゲインは、特定の入力と出力間のゲインを調整して、入力または出力フェーダー設定を変更せずに別のサブミックスを作成します。任意のクロスポイントでdB値を選択して、ゲイン調整パネルを開きます。
ゲインステージング:入力フェーダー > クロスポイントゲイン > 出力フェーダー
入力と出力が交差するボックスを選択することにより、接続します。
デフォルト設定を使用すると、ニアエンドのShureマイクロホンを使用して複数のファーエンドへの通話が可能になります。ハードウェアコーデック、ソフトウェアコーデック、携帯電話を同時に操作できるよう接続が確立されます。
入力/ソースチャンネル | 出力/接続先チャンネル |
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オートミックス(サミングされたDante入力チャンネル) |
|
アナログ - コーデックから(アナログ入力1) |
|
USB入力 |
|
モバイル入力 |
|
Danteマイクロホン(Shure MXA 310)と携帯電話からのニアエンド音声は両方とも、ビデオコーデックにルーティングされ、ファーエンドに送信されます。携帯電話はリモートコーラーからの音声を送っているだけで、内蔵マイクとスピーカーは無効になっています。
ビデオコーデックからのファーエンド音声は、電源が投入されたラウドスピーカーまたはアンプ(アナログまたはDante対応)にルーティングされます。また、携帯電話(P300に接続)にもルーティングされ、信号をリモートコーラーにリレーします。
リモートコーラー(ファーエンド)はニアエンドとファーエンド双方の場所から音声を受け取ります。P300は、モバイル出力を介してニアエンドとファーエンドの音源をルーティングし、あらゆる場所に接続します。リモートコーラーからの音声はモバイル入力にルーティングされた後、ニアエンドの部屋のラウドスピーカーに送られ、ビデオコーデックを介してファーエンドの部屋にも送られます。
入力 / ソースチャンネル | 出力 / 接続先チャンネル |
---|---|
オートミックス(MXA310からサミングされた4つのDante入力チャンネル) |
アナログ - コーデックへ(アナログ出力1) モバイル出力 |
アナログ - コーデックから(アナログ入力1) |
アナログ - スピーカーへ(アナログ出力2) モバイル出力 |
モバイル入力 |
アナログ - コーデックへ(アナログ出力1) アナログ - スピーカーへ(アナログ出力2) |
ミュート同期により、会議システム内の接続されているすべてのデバイスが、信号パス内の正しいポイントで同時にミュートまたはミュート解除されます。ミュートステータスは、ロジック信号またはUSB接続を使用してデバイスで同期されます。
ミュート同期を使用するには、すべてのデバイスでロジックが有効になっていることを確認してください。
Designerの[最適化]ワークフローにより、必要なすべてのミュート同期設定が構成されます。
互換性のあるShureロジックデバイス:
ミュート同期をオンにするには:
この設定を使用して、MXA310のミュートボタンを押してP300をミュートします。P300の信号チェーンでは、AECが収束したままになるように、DSPの後にミュートが行われます。
Designerの通話ステータス機能は、マイクロホンのLEDを使用して、ビデオ会議中かどうかを表示します。これはロケーションレベルの機能であるため、Designerのロケーションにあるすべてのマイクロホンに適用されます。
使用方法:
[通話ステータス]が有効になっている場合:
通話ステータスは次のコーデックに対応しています。
注:コーデックがChromeオペレーティングシステムを搭載したコンピューター上で実行されている場合、通話ステータスは機能しません。
[入力]タブでは、マトリクスミキサーに到達する前にチャンネルのゲインを制御します。ただし、P300に到達する前にソースのゲインも調整する必要があります。
P300に達する前のソースの入力レベルを監視するには:[設定]メニューで[プリゲイン]に計測を設定します。
P300の[入力]タブでチャンネルのゲインを調整するには:[設定]メニューで[ポストゲイン]に計測を設定します。
注:[マトリクスミキサー]タブでは、さまざまな出力に送信されている別個のサブミックスのレベルを制御するクロスポイントゲインを調整できます。
フェーダーを0 dBに設定した際にほとんどの機器でモバイル機器入力ゲインを最適化します。これにより、十分なヘッドルームで十分な音量を提供できるようにします。一般的なターゲットとして、P300が電話から受信した音声信号は、約-24 dBFSの平均レベルに到達する必要があります。
ファーエンドに送られている信号レベルが低すぎる場合は、ニアエンドのマイクロホンとオートミキサーのゲインレベルを確認して調整します。
ミュートグループ | ミュートグループボックスにチェックを付けると、そのチャンネルはグループに追加されます。ミュートグループ内のいずれかのチャンネルをミュートすると、グループ内のすべてのチャンネルがミュートされます。 |
フェーダーグループ | フェーダーグループボックスにチェックを付けると、そのチャンネルはグループに追加されます。グループ内のすべてのフェーダーがリンクされ、1つのフェーダーを調節すると、グループ全体のフェーダーも同時に動きます。 |
パラメトリックイコライザー(PEQ)を使用して周波数応答を調整し、オーディオ品質を最高設定にします。入力イコライザーを使用して特定のチャンネルを調整しながら、出力イコライザーを使用して特定の出力を介し、サミングされるすべての信号の周波数特性を調整します。
イコライザーの一般的用途:
注:イコライザー(MXA310など)を内蔵したマイクロホンを接続する場合は、マイクロホンのEQを無効にし、代わりにP300のEQを使用してください。
周波数特性グラフのアイコンを操作するか、数値を入力してフィルター設定を調整します。フィルターの横にあるチェックボックスでフィルターを無効にできます。
フィルターの種類
各バンドには選択可能なフィルターが含まれています。
ローカット:選択した周波数以下の音声信号をロールオフします
ローシェルフ:選択した周波数以下の音声信号を減衰またはブーストします
ハイカット:選択した周波数以上の音声信号をロールオフします
ハイシェルフ:選択した周波数以上の音声信号を減衰またはブーストします
周波数
カット/ブーストするフィルターの中心周波数を選択します
ゲイン
フィルターのレベルを調整します(+/- 30 dB)
周波数特性グラフのアイコンを操作するか、数値を入力してフィルター設定を調整します。フィルターの横にあるチェックボックスでフィルターを無効にできます。
フィルターの種類
パラメトリック:カスタマイズ可能な周波数範囲内の信号を減衰またはブーストします
ローカット:選択した周波数以下の音声信号をロールオフします
ローシェルフ:選択した周波数以下の音声信号を減衰またはブーストします
ハイカット:選択した周波数以上の音声信号をロールオフします
ハイシェルフ:選択した周波数以上の音声信号を減衰またはブーストします
周波数
カット/ブーストするフィルターの中心周波数を選択します。
ゲイン
フィルターのレベルを調整します(+/- 30 dB)。
Q
フィルターの影響を受ける周波数範囲を調整します。この値が大きくなるにつれ、帯域幅は狭くなります。
幅
フィルターの影響を受ける周波数範囲を調整します。値はオクターブで表されます。
注:Qおよび幅のパラメーターは、同じ形で等化曲線に影響を及ぼします。相違点は、値の表示方法のみです。
会議室の音響は部屋の大きさ、形、建築材料に左右されます。以下の表のガイドラインを使用してください。
EQ用途 | 推奨設定 |
---|---|
音声了解度改善のための高域ブースト | ハイシェルフフィルターを加えて、1 kHzよりも3~6 dB程度高めます。 |
空調雑音の低減 | ローカットフィルターを加えて、200 Hz以下の周波数を減衰させます。 |
フラッターエコーおよびシビランスの低減 | 部屋を「煽る」特定の周波数範囲を特定します:
|
部屋の反響や共鳴音を低減します | 部屋を「煽る」特定の周波数範囲を特定します:
|
システムを構成するためにShure Designerソフトウェアを使用している場合、このトピックの詳細については、Designerのヘルプセクションを確認してください。
ヒント:正確な計測を行うため、設定メニューで出力計測を設定します。
出力セクションでフェーダーを調整し、必要に応じてなるべく高くしますが、クリッピングは避けてください(信号が0 dBFSに達した場合)。入力ゲインとクロスポイントゲインは出力ゲインの前にマトリックスミキサーで常に調整してください。
アナログ調整レベル:受信デバイスの感度に適したLine、AuxまたはMicレベル出力を選択します。
2つの計測モードで、ゲイン段階の前後で信号レベルを監視できます。
ゲーティングモードでは、高速動作のシームレスなチャンネルゲーティングと一定の周囲音レベルを提供します。オフアッテネーション設定は、アクティブなチャンネルの数に関係なく、すべての非アクティブチャンネルに適用されます。
ゲイン共有モードはオープンチャンネルとクローズチャンネルの間でシステムのゲインをダイナミックに調整します。システムゲインは、1つのオープンチャンネルと等しくなるよう、チャンネル間でゲインを分配して一定に保たれます。可変ゲインストラクチャは、チャンネル数が多い場合のノイズの低減に有効です。使用されるチャンネルが少ない場合は、オフアッテネーション設定を低くすると、透明度の高いゲーティングが得られます。
マニュアルモードではすべてのアクティブなトラックを足し合わせ、サミングされた信号を1つのDante出力に送ります。これにより、オートミックスを有効にすることなく、拡声や録音用の各信号をルーティングするオプションを提供します。標準モニタリングビューのフェーダー設定がサミング出力に適用されます。
注:すべての設定がすべてのオートミキサーで使用できるわけではありません。
ラストマイクをオンのままにする
最後に使用されたマイクロホンのチャンネルをアクティブのままにします。この機能は、信号に自然な部屋の音を維持することで、音声信号が途切れていないことをファーエンドの参加者が知ることができます。
ゲート感度
ゲートが開くスレッショルドレベルを変更します。
オフアッテネーション
チャンネルがアクティブでない時の信号の減衰レベルを設定します。
ホールド時間
レベルがゲートスレッショルドを下回った後で、チャンネルが開いたままとなる時間を設定します。
最大オープンチャンネル数
同時にアクティブになる最大チャンネル数を設定します。
優先度
選択した場合は、最大オープンチャンネル数に関係なく、このチャンネルのゲートがアクティブになります。
常にオン
これを選択すると、このチャンネルは常にアクティブになります。
Send to Mix
これが選択された場合は、チャンネルをオートミックスチャンネルに送ります。
ソロ
その他のチャンネルを全てミュートします。
オートミックスゲインメーター
これが有効になっている場合はゲインメーターをリアルタイムでのオートミックスゲーティングを表示するように変更します。ゲートオープンするチャンネルは、ミックスでクローズした(アッテネーション済み)チャンネルより多くのゲインを表示します。
マイク最適化モード(P300のみ)
最高のパフォーマンスを確保できるよう、オートミキサーで使用するマイクロホンを選択します。最良の結果を得るためには、Designerの最適化ワークフローを使用します(これで自動的に正しいマイク最適化モードが選択されます)。
Shure Microflexワイヤレスシステム、または従来の有線マイクを使用する場合は、オフ設定を使用します。
[オートミキサー]タブで、各チャンネルの下のメニューを使用して、マトリクスミキサーへの信号の送信元を選択します。
すべてのオプションには、入力チャンネルゲイン、ミュート、ソロおよびPEQがあります。
前処理/ゲート前
AEC、ノイズ低減またはAGCを使用せずに信号をマトリクスミキサーに送信します。
後処理/ゲート前
AECとノイズ低減を使用し、オートミキサーのゲーティングまたはAGCは使用せずに信号をマトリクスミキサーに送信します。
後処理/ゲート後
オートミキサーゲーティング、AEC、ノイズ低減を使用し、AGCは使用せずに信号をマトリクスミキサーに送信します。
前処理/ゲート後
オートミキサーゲーティングを使用し、AEC、ノイズ低減またはAGCは使用せずに信号をマトリクスミキサーに送信します。
注:Shureオートミキサーによっては、ダイレクト出力のタップポイントを使用できないものもあります。
暗号化は、部屋レベルで動作します。これは、部屋に含まれるすべてのデバイスにこれらの設定がある必要があることを意味します。音声は、アメリカ国立標準技術研究所(NIST)の公表文献FIPS-197の規定に従い、Advanced Encryption Standard(AES-256)を使用して暗号化されています。サードパーティデバイスでは暗号化がサポートされていません。
暗号化を有効にするには:
その他のオプションを使用すると、暗号化を再キー化したり、暗号化が以前に有効になっていて、不要になった場合に無効にしたりできます。
重要:暗号化を有効にするには:
注:ファームウェアが3.xと4.xのデバイス間では暗号化は機能しません。暗号化を使用するには、すべてのデバイスを同じメジャーファームウェアバージョンにアップデートしてください。
Shureデバイスをネットワークに接続する場合は、次のベストプラクティスを使用します。
このShureデバイスは2つのIPアドレスを使用します。1つがShureコントロールに、もう1つがDanteオーディオおよびコントロールに必要となります。
Designerでこれらの設定にアクセスするには、
に移動します。IP設定
選択したネットワークインターフェースのIPモードを設定します:
IP設定
各ネットワークインターフェースのIPアドレス、サブネットマスク、ゲートウェイを表示し編集します。
MACアドレス
ネットワークインターフェースの固有の識別番号。
IP設定はShure Designerソフトウェアで管理します。初期設定では、自動(DHCP)モードに設定されています。DHCPモードでは、デバイスはDHCPサーバーからIP設定を受け取り、またはDHCPがない場合には自動的にリンクローカル設定へフォールバックします。また、IPアドレスは手動で設定することもできます。
IPプロパティを設定するには、以下のステップに従ってください。
IPアドレスを手動で割り当てるには、次の手順に従います。
Danteデジタルオーディオは、標準イーサネットで伝送され、標準インターネットプロトコルで動作します。Danteは低レイテンシー、タイトクロック同期、QoSを備え、各種Danteデバイスに信頼性の高い音声トランスポートを行います。Danteオーディオは、ITやコントロールデータと同じネットワークに安全に共存することができ、あるいは専用ネットワークを使用するように構成することもできます。
スイッチとケーブルによって音声ネットワークのパフォーマンスが決まります。高品質のスイッチとケーブルを使用して、音声ネットワークの信頼性を高めます。
ネットワークスイッチには次のものが必要です。
イーサネットケーブルは次のようになります。
詳細については、回避するスイッチに関するFAQを参照してください。
レイテンシーとは、デバイスの出力へとシステム内を移動する信号が要する時間量です。デバイスとチャンネル間のレイテンシー時間の変化に対応するため、Danteにはレイテンシー設定が選択できるようになっています。同じ設定を選択した場合、ネットワーク上のすべてのDanteデバイスは確実に同期できます。
これらのレイテンシー値を出発点として使用してください。設定で使用する正確なレイテンシーを決定するには、設定を割り当て、Danteオーディオをデバイス間で送信し、AudinateのDanteコントローラーソフトウェアを使用してシステムの実際のレイテンシーを測定します。続いて、利用できる最も近いレイテンシー設定に端数を切り上げて、それを使用します。
レイテンシーの設定を変更するには、AudinateのDanteコントローラーソフトウェアを使用します。
レイテンシーの設定 | スイッチの最大数 |
---|---|
0.25 ms | 3 |
0.5 ms(初期設定) | 5 |
1 ms | 10 |
2 ms | 10+ |
Danteコントローラーに表示されるデバイス名を表示するには、設定>概要へと移動して、 デバイス名に名前を入力します。Danteへのプッシュを選択して、ネットワークに表示される名前を送信します。
注:Danteコントローラーに表示される名前は「-d」が付いています。
AES67はさまざまなIP音声技術を使用するハードウェアコンポーネント間の通信を可能にするネットワーク音声標準です。このShureデバイスはAES67をサポートし、ライブ音声、統合設置およびブロードキャスト用のネットワークシステム内での互換性を向上させます。
次の情報は、AES67信号の送受信に不可欠なものです。
Shure製デバイスの対応状況: | デバイス2の対応状況: | AES67の対応状況 |
---|---|---|
DanteとAES67 | DanteとAES67 | Dante以外には未対応。 |
DanteとAES67 | Danteを使用しないAES67。他のオーディオネットワーキングプロトコルは使用できます。 | 対応。 |
個別のDanteとAES67フローは同時に操作できます。フローの総数は、デバイスのフロー上限によって決定されます。
すべてのAES67設定は、Dante Controllerソフトウェアで管理されます。詳細については、『Dante Controllerユーザーガイド』を参照してください。
サードパーティ製デバイスの場合:ハードウェアがSAPに対応している場合、デバイスが使用しているルーティングソフトウェアでフローが識別されます。SAPに未対応の場合、AES67フローを受け取るには、AES67セッションのIDとIPアドレスが必要となります。
Shureデバイスの場合:送信デバイスがSAPに対応している必要があります。Dante Controllerで、送信機(IPアドレスで表示される)は、他のDanteデバイスと同様にルーティングできます。
このデバイスは、Dante Domain Managerソフトウェア(DDM)と互換性があります。DDMは、DanteネットワークおよびDante対応製品のユーザー認証、役割ベースのセキュリティ、および監査機能を有効にするネットワーク管理ソフトウェアです。
DDMによって制御されるShureデバイスの考慮事項:
詳細については、Dante Domain Managerドキュメントを参照してください。
注:ファームウェア4.1.x 以降に適用されます。
Danteフローは、あるDanteデバイスから別のDanteデバイスに音声をルーティングするたびに作成されます。1つのDanteフローには、最大4つの音声チャンネルを含めることができます。例えば、使用可能な5つのチャンネルすべてをMXA310から別のデバイスに送信すると、1つのフローに最大4つのチャンネルを含めることができるため、2つのDanteフローが使用されます。
各Danteデバイスには、特定の数の送信フローと受信フローがあります。フローの数は、Danteプラットフォームの機能によって決まります。
ユニキャストおよびマルチキャスト伝送設定は、デバイスが送受信できるDanteフローの数にも影響します。マルチキャスト伝送を使用すると、ユニキャストフローの制限を解決するのに役立ちます。
Shureデバイスは、異なるDanteプラットフォームを使用しています。
Danteプラットフォーム | プラットフォームを使用したShureデバイス | ユニキャスト送信フロー制限 | ユニキャスト受信フロー制限 |
---|---|---|---|
Brooklyn II | ULX-D、SCM820、MXWAPT、MXWANI、P300、MXCWAPT | 32 | 32 |
Brooklyn II(SRAMなし) | MXA920、MXA910、MXA710、AD4 | 16 | 16 |
Ultimo/UltimoX | MXA310、ANI4IN、ANI4OUT、ANIUSB-MATRIX、ANI22、MXN5-C | 2 | 2 |
DAL | IntelliMix Room | 16 | 16 |
Danteフローの詳細については、よくある質問やAudinateからご覧ください。
パケットブリッジを使用すると、外部のコントローラーがShureデバイスのコントロールインターフェイスからIP情報を取得できます。パケットブリッジにアクセスするには、ShureデバイスのDanteインターフェイスで、外部コントローラーがクエリーパケットをunicast UDP*からport 2203に送信する必要があります。
注:最大許容ペイロードは140バイトです。どのようなコンテンツでも許可されます。
バイト | コンテンツ |
---|---|
0~3 | IPアドレス(ネットワーク順で32ビット符号なし整数型) |
4~7 | サブネットマスク(ネットワーク順で32ビット符号なし整数型) |
8~13 | MACアドレス、6バイトのアレイ |
注:通常のネットワーク上では、Shureデバイスは1秒以内に応答します。応答がない場合、送信先IPアドレスとポート番号を確認してからクエリーを再送してください。
*UDP: ユーザー・データグラム・プロトコル
パケットブリッジでは、クロスサブネットコマンド文字列を使用できません。
QoS設定によりネットワーク上の特定のデータパケットを優先させることで、負荷の大きい大規模ネットワークにおいて信頼性の高い音声配信を確保します。この機能は、多くのマネージドネットワークスイッチに備わっています。必須ではありませんが、QoS設定をすることをお勧めします。
注:サービスの中断を避けるため、変更はネットワーク管理者に依頼してください。
QoS値を割り当てるには、スイッチインタフェースを開き、次の表を使用してDante®に関連付けられているキュー値を割り当てます。
優先度 | 用途 | DSCPラベル | 16進数 | 10進数 | 2進数 |
---|---|---|---|---|---|
高 (4) | タイムクリティカルPTPイベント | CS7 | 0x38 | 56 | 111000 |
中 (3) | オーディオ、PTP | EF | 0x2E | 46 | 101110 |
低 (2) | (予約済み) | CS1 | 0x08 | 8 | 001000 |
なし (1) | その他のトラフィック | BestEffort | 0x00 | 0 | 000000 |
注:スイッチの管理はメーカーやスイッチタイプによって異なることがあります。個々の設定の詳細については、メーカーの製品ガイドを参照してください。
Danteの要件およびネットワークについては、www.audinate.comを参照してください。
PTP(高精度時間プロトコル):ネットワーク上のクロックを同期するために使用されます
DSCP(DSコードポイント):レイヤー3のQoS優先度付けに使用される標準の識別方法です
Port | TCP/UDP | Protocol | Description | Factory Default |
---|---|---|---|---|
21 | TCP | FTP | Required for firmware updates (otherwise closed) | Closed |
22 | TCP | SSH | Secure Shell Interface | Closed |
23 | TCP | Telnet | Not supported | Closed |
53 | UDP | DNS | Domain Name System | Closed |
67 | UDP | DHCP | Dynamic Host Configuration Protocol | Open |
68 | UDP | DHCP | Dynamic Host Configuration Protocol | Open |
80* | TCP | HTTP | Required to launch embedded web server | Open |
443 | TCP | HTTPS | Not supported | Closed |
2202 | TCP | ASCII | Required for 3rd party control strings | Open |
5353 | UDP | mDNS† | Required for device discovery | Open |
5568 | UDP | SDT (multicast)† | Required for inter-device communication | Open |
57383 | UDP | SDT (unicast) | Required for inter-device communication | Open |
8023 | TCP | Telnet | Debug console interface | Closed |
8180 | TCP | HTML | Required for web application (legacy firmware only) | Open |
8427 | UDP | SLP (multicast)† | Required for inter-device communication | Open |
64000 | TCP | Telnet | Required for Shure firmware update | Open |
*These ports must be open on the PC or control system to access the device through a firewall.
†These protocols require multicast. Ensure multicast has been correctly configured for your network.
See Audinate's website for information about ports and protocols used by Dante audio.
このデバイスはネットワークからロジックコマンドを受け取ります。Designerによりコントロールされるパラメーターの多くは、適切なコマンド文字列を使用することでサードパーティ製のコントロールシステムからコントロールできます。
一般的な用例:
コマンド文字列の完全なリストは、次の場所にあります。
イベントログには、デバイスの電源オン時からの動作の詳細説明が記録されています。ログはアクティビティエントリを最大1,000件まで収集し、最後の電源サイクルに応じてタイムスタンプします。エントリは内部メモリに保管され、デバイスをオフにして再起動してもクリアされません。エクスポート機能を使うと、ログデータを保存してソートするCSV(カンマ区切り値)文書が作成されます。
トラブルシューティングまたはShureシステムサポートへの問い合わせを行う際には、詳細についてログファイルを参照します。
イベントログを表示するには:
深刻度レベル
情報
アクションまたはイベントは正常に完了しました
警告
アクションは完了できませんが、全体的な機能は安定しています
エラー
機能を妨げる可能性のある問題が発生しました。
ログ詳細
ノート
IPアドレスとサブネットマスクを含む、イベントとエラーに関する詳細を提供します。
タイムスタンプ
最近の再起動以降のPower cycles:days:hours:minutes:seconds。
イベントID
内部参照のためのイベントタイプを示します。
ヒント:フィルタを使用して結果を絞り込みます。カテゴリ見出しを選択してログをソートします。
問題 | 解決策 |
---|---|
Google Chromeブラウザでソフトウェアの遅延が生じる | 問題はブラウザに関連しています。Chromeでハードウェアアクセラレーションオプションをオフにします。 |
音がこもる | イコライザーを使って周波数レスポンスを調整します。適切な使用についてはイコライザーアプリケーションを参照してください。 |
オーディオの音が高すぎる、またはピッチが低すぎる | コンピューターのサウンド設定で、再生と録音のサンプルレートの設定が同じであることを確認します。これらのサンプルレートが一致していないと、オーディオの音が高すぎたり、ピッチが低すぎたりする可能性があります。 |
ハードウェアがデバイス検出に表示されない |
|
音声なし |
|
Dante音声チャンネルにルーティングできない | Audinate(www.audinate.com)から最新バージョンのDante Controllerをインストールします。 |
ハードウェアの電源が入らない |
|
必要な情報が見つからなかった場合は、カスタマーサポートまでお問い合わせください。
入力 | (2) 3ピンブロックコネクター (アクティブバランス) |
出力 | (2) 3ピンブロックコネクター (インピーダンスバランス) |
モバイル | (1) TRRS 3.5 mm |
(1) USB 2.0, タイプ B
単一ポートは2個の入力および2個の出力チャンネルをサポート (統合モノ)
(1) RJ45
10 Dante Inputs (入力),8 Dante 出力
非反転、すべての入力から出力
802.3(クラス タイプ 2 (PoE Plus), 4)
17.5 W, 最大
1710 g (3.8 lb)
高さ×幅×奥行き
4 x 21 x 22.6 cm ( 1.6 x 8.3 x 8.9 インチ)
Shure Designer
−6.7°C (20°F) ~ 50°C (122°F)
−29°C (-20°F) ~ 74°C (165°F)
最大 | 17.5 W ( 60 BTU/時) |
標準 | 14.6 W ( 50 BTU/時) |
+1, -1.5 dB
20 ~ 20,000 Hz
サンプリングレート | 48 kHz |
ビット深度 | 24 |
サンプリングレート | 48 kHz |
ビット深度 | 16, 24 |
Danteレイテンシーを含みません
ファームウェア4.1以降 | Dante 1~8入力 ~ Dante出力 (AEC有効化) | 15.4 ms |
Dante 1~8入力 ~ Dante出力 (AEC無効化) | 8.7 ms | |
Dante 9~10入力 ~ Dante出力 | 3.4 ms | |
アナログ入力 ~ アナログ出力 | 3.8 ms | |
ファームウェア3.1以前 | Dante 1~8入力 ~ Dante出力 (AEC有効化) | 12.5 ms |
Dante 1~8入力 ~ Dante出力 (AEC無効化) | 5.8 ms | |
Dante 9~10入力 ~ Dante出力 | 1.8 ms | |
アナログ入力 ~ アナログ出力 | 2.2 ms |
最大 300 ms
20 Hz~20 kHz, Aウェイト, 標準
アナログ-Dante | 113dB |
Dante-アナログ | 117dB |
20 Hz~20 kHz, Aウェイト, 150Ω端子か入力
Line | -86 dBV |
Aux | -98 dBV |
@ 1 kHz, 0 dBV 入力, 0dB アナログゲイン
<0.05%
150Ωバランスソース @ 1 kHz
>50dB
9.6 kΩ
Line | +27 dBV |
Aux | +15 dBV |
80 Ω
Line | +20 dBV |
Aux | +0 dBV |
マイクロホン | -26 dBV |
チップ | 音声入力 (左) |
リング 1 | 音声入力 (右 ) |
リング 2 | アース |
イヤパッド | 音声出力 (電話機へ) |
20 Hz~20 kHz, Aウェイト, 標準
アナログ-Dante | 99dB |
Dante-アナログ | 90dB |
20 Hz~20 kHz, Aウェイト, input terminated with 20Ω
-95 dBV
@ 1 kHz, 0 dBV 入力, 0dB アナログゲイン
<0.05%
3.7 kΩ
+4 dBV
1.4 kΩ
Output terminated with 2.2 kΩ
-20 dBV
Cat 5e以上 (シールドケーブル推奨)
チップ | 音声入力 (左) |
リング 1 | 音声入力 (右 ) |
リング 2 | アース |
スリーブ | 音声出力 |
注:P300では音声入力(tipおよびring 1)がひとつのモノラル信号に統合され、いずれの送り先にも単一のチャンネル上で信号が送信されます。
19インチラックトレイ | CRT1 |
注: モデル情報および出力定格はユニット底面のラベルに記されています
![]() |
警告。この表示内容を無視して誤った取り扱いをすると、死亡または重傷を負う可能性が想定される内容です。 |
![]() |
注意。この表示内容を無視して誤った取り扱いをすると、傷害を負う可能性または物的損害が発生する可能性が想定される内容です。 |
本機器はプロオーディオ用途での使用を目的としています。
注:このデバイスは公共のインターネットネットワークに直接接続されることを意図していません。
環境E2へのEMC適合:業務用および軽産業用。テストは、同梱および推奨のケーブル使用に基づきます。シールド(スクリーン)型以外のケーブルを使用した場合はEMC性能が低下します。
Shure社によって明示的に承認されていない変更または修正を加えると、この機器を操作する 権利が無効になります。
産業のカナダICES-003コンプライアンスレベル:CAN ICES-3 (B)/NMB-3(B)
FCCパート15Bの認証条項により認可。
電池、パッケージ、電子廃棄物については地域のリサイクル方法に従ってください。
Dante is a registered trademark of Audinate Pty Ltd.
本機器はテストされFCC規定パート15に従いクラスBデジタル機器に適合しますが、制限があります。本機器は電磁波を発生、使用または放射する場合があります。メーカーの取扱説明書に従って設置して使用しないと、無線およびテレビの受信に妨害を引き起こす可能性があります。
注記:FCC規制では、Shure社によって明示的に承認されていない変更または修正を加えると、この機器を操作する権利が無効になることが規定されています。
これらの制限は、住宅地域において設置する際、有害な電波干渉から機器を適度に保護するためのものです。本機器は電磁波を発生・使用し、放射する場合があります。取扱説明書に従って設置しないと無線通信に電波干渉が起こります。また、設置状況に関わらず妨害を引き起こす可能性もあります。本機器によりラジオやテレビの受信に電波干渉が起こるようであれば(これは、機器の電源を一度切ってから入れるとわかります)、次の手段を1つまたは複数用いて電波干渉を防いでください。
本装置はFCC規制第15部に準拠しています。操作は次の2つの条件の対象となります:
CE適合宣言書は以下より入手可能です:www.shure.com/europe/compliance
ヨーロッパ認定代理店:
Shure Europe GmbH
Global Compliance
Jakob-Dieffenbacher-Str.12
75031 Eppingen, Germany
TEL:+49-7262-92 49 0
Eメール:info@shure.de
www.shure.com
本製品は、関連するすべての欧州指令の基本的要件を満たし、CEマークに適合しています。
CE適合宣言書はShure社またはShure社の欧州担当部より入手することができます。問い合わせ先についてはvisit www.shure.comを参照してください